活字欠乏症の妙薬は密室 2月25日

 日記 読書感想文

 

 

出ちまったぜぃ! 活字欠乏症。

 

以前にも書きましたけど、時々出るんですよこれが。

 

 

勿論職業柄いっぱい本や資料を読みます。

でもそれは全て仕事の為の原作本、資料、歴史書、専門書、解説書の類で

ボクの趣味としての読書ではありません。

 

 

これは忙しい時ほど出てしまうという厄介なもので、

ゆったりまったりのんびりしている時にはあまり出てきません。

 

 

で………

 

買っちまいました。デレック・スミスの『悪魔を呼び起こせ』

 

 

 

 

密室ものの傑作だそうです。

 

 

で、早速読みました。

 

ううーん。なかなか………

 

この作者はミステリー、なかでも密室の研究者だそうで、密室マニアが嵩じて

とうとう自分でも書いてしまった方なんだそうです。

 

端正です。密室も物語も。密室マニア、さもありなん。

 

ただ、折角亡霊だの伝説だの、カーばりの舞台設定も、

端正ゆえ、つまりおどろおどろしさが淡泊というか。

やはり本家カーの大ハッタリ怪奇譚には及ばない気がしました。

 

しかしこれが書かれたのが60年前。それを考えれば、

傑作の部類だとは思います。

 

でもやっぱりボクは芝居屋なので、大芝居な物語を期待してしまったのかなぁ。

 

 

ともあれ、先日の『密室の魔術師』と合わせ、これでようやく

世界的密室研究家ロバート・エイディ氏が傑作論文『密室ミステリ概論』で

示した密室の系譜に出てくる作品群と、更に二階堂黎人氏が『密室殺人大百科』

下巻末尾のあとがきで示した250冊近くに及ぶ傑作群はほぼ読破したことになった。 

 

 

さて、何度も書いていますが、密室、大好きでごんす。改めて言う事か?

中一の時にガストン・ルルーの大古典名作『黄色い部屋の謎』を読んで以来

密室一筋の感がある池田でごんす。(これ、同じ文章を前に書いたな)

ボク自身、舞台では、ミステリー劇を、しかもその中で密室殺人を何本か

書いています。(これも前に書いたな)

 

 

そうだ。

もしこの日記をお読みの方で、あまり密室を読んだことがないと仰る方の為に

数ある密室関連本の中から、池田おすすめの密室本と参考書をいくつか

ご紹介しましょう。

 

密室及び不可能犯罪の短編が集まったアンソロジーだと

  渡辺剣次氏編『13の密室』『続・13の密室』

  二階堂黎人氏編『密室殺人大百科』上下(収録短編は玉石かもしれませんが

    収録されているロバート・エイディ氏の論文や二階堂氏の密室紹介などが

    大参考になると思います)

  鮎川哲也氏・島田荘司氏編『奇想の復活』

  H・S・サンテッスン編『密室殺人傑作選』

 

ホントにたくさんのアンソロジーが出ているんだけれど、まずこの程度押えれば

ОKでしょう。

 

 

次に密室紹介本。傑作密室を紹介したり、その密室を図解で説明したりしてくれて

います。勿論ネタバレはありませんからご安心を。

  有栖川有栖氏著『有栖川有栖の密室大図鑑』

     これです。

 

 

ちなみにこんなのが載ってます。

 

 

古今東西の傑作密室40作が紹介されています。勿論カーの『三つの棺』や

横溝先生の『本陣殺人事件』や山村美紗先生の『花の棺』も載ってます。

今では文庫でも出ているらしいですよ。お手軽に如何でしょうか?

 

  同じく有栖川有栖氏監修『密室ミステリーの迷宮』

 

 

こちらはさらに多くの密室物が紹介されています。

 

 

さて、最後に、ボクが読んだ何百冊という密室物の中から、

特に好きなものを少々。これを押さえれば君も立派な密室マニアだ!……かな?

あくまでボクの独断と偏見による好みですけれど。★がついているものは必読です!

 

   長編 ディクスン・カー『三つの棺』★(全世界のマニア投票で絶対的に

       密室小説ベストワンになる作品です。ただ少々初心者には難しいかも)

      同じくカーの『ユダの窓』★ 『火刑法廷』『孔雀の羽根』『夜歩く』

      ポール・アルテ『第四の扉』

      高木彬光氏『刺青殺人事件』『能面殺人事件』★

      島田荘司氏『斜め屋敷の犯罪』★(強烈ですよ) 『水晶のピラミッド』

      中井英夫氏『虚無への供物』(すべてのミステリーのボクのベストです。

         でもやはり初心者向けではないかもしれません)

      赤川次郎氏『三毛猫ホームズの推理』(初心者向けです)

      麻耶雄嵩氏『翼ある闇』★

      柄刀 一氏『fの魔弾』★

      二階堂黎人『悪霊の館』★ 『人狼城の恐怖(全四巻)』(長いよ)

      そして横溝先生『本陣殺人事件』★と山村先生『花の棺』★

 

   短編 ジャック・フットレル『十三号独房の問題』

      カー(出ました)『妖魔の森の家』★(短編の基本です!)

      クレイトン・ローソン★『天外消失』

      ロバート・アーサー『五十一番目の密室』

      ウィリアム・ブルテン『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』★

      クリスチア・ブラント『ジェミニィ・クリケット事件』

      E・D・ホック『長い墜落』★

      高木彬光氏『妖婦の宿』★(日本密室短編の基本その①)

      鮎川哲也氏『赤い密室』★(日本密室短編の基本その②) 『道化師の檻』

      泡坂妻夫氏『右腕山上空』(なんと心地よいバカミスか)

      我孫子武丸氏『人形はテントで推理する』(更にバカミス)

      法月倫太郎氏『重ねて二つ』(びっくりしますぞ)

      二階堂黎人氏『ロシア館の謎』(家が一軒消えてしまいますぞ)

 

 

こんなところかなぁ。

 

寒い休日、おこたには言って是非お読みください。

 

 

言うてる場合か。締め切りがぁあああ!!!

 

 

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