ビバ! ドラフトコント 11月21日

〈ま〉の日常 観劇

 

 

昨日の (あ、もう一昨日か) ドラフトコント。

すごかったですねぇ。

もう、感動半分、ショックが半分ですわ。

 

 

ボク、去年から何度もここで「コントが演劇寄りになった」と書いてきました。

毎年大晦日の〈今年ボクに起こったことのベスト3〉、去年のベスト2がコントの

演劇化でした。

 

コントが演劇に近づいた。

最初に感じたのは去年のキングオブコント。空気階段が優勝した時ね。

10組中8組がナンセンスではなく常識内での作品だった。

 

以来、ドラフトコント、キングオブコントの会、the conte、そして今年のキング

オブコント。どんどんコントの演劇化が進んでいます。

 

しかもそれらは持ち時間も長く、キングオブコントの会の秋山クンのネタなんて20分

もやった。今回のだってチーム田中 (う大さんの台本) は9分だ。

 

更にテレビ局がやってるからセットも立派。

やってる人たちはコント師や漫才で売れてる人だから当然笑いのポテンシャルは高い

高い。

 

これじゃ、演劇人のやるコメデイなんて勝てやしない。あ、勿論これはオムニバスの

ような短いコメデイの場合ですよ。更にはそれがファルス的ならなおさらだ。

つまりコントと、演劇の短編コメディとの住み分けがなくなったてきた以上、我々演

劇人が勝てるわけがないんですわ。

このことは昨年の12月31日にも詳しく書いてます。

 

だから我々演劇人がコメディを上演する場合、本来演劇が持つ特性の上で勝負するし

かない。もう名前出しちゃうけどNLTの『ホテルZOO』のような作品は、現在の演劇

的ポテンシャルに合わせて直しを入れなければ勝てるわけがないんです。

ボク去年から言い続けてます。でも全く耳を貸してもらえませんでした。ボクの不徳

の為せる業です。(◞‸◟)

 

 

 

 

さて、今年のドラフトコントです。

感動してます。

5本とも演劇でした。悔しい。(;´д`)

 

それぞれの感想です。

あ、あくまでもボクの個人的な感想です。なので「なに言ってんだ」と思われた方、

先に謝っておきます。すみません。

 

では。

 

 

 

最初のチームジュニア。

いやぁ、初っ端から面白かった!

特に最後の回収。ボク予想もしなかった。(;´д`)トホホ。

でもそこで思い出しました。ボクね、あれと似た意味合いの喜劇、25年前に企画書に

したことがあるんですわ。目の前で起こっていることで、作家が1本コメディを仕上

げるという話です。

その企画書は関西松竹さんがお持ちです。もう捨てはったかな。(^O^) ちょいと自

慢です。すんません。m(__)m

それと、4人の女性の話を、小宮クン一人が突っ込む形式。これに関しては後で。

 

 

チーム長田。

いやぁ、やられましたね。(^O^)

あれはナンセンスで、演劇ではないと思われる方。あるんですよ演劇にもあの手の

コメディが。

フランスのアカデミー会員でもあった巨匠アンドレ・ルッサンに『劇場の異邦人』と

しう短編コメディが。NLTでも何度か上演しています。

登場人物がその国の言葉をしゃべらない。というよりどこの国の言葉でもなく、それ

っぽいことをしゃべって成立させる家族の愛と禁断の恋のコメディです。

それがある以上、長田さんのコントも演劇ですわ。

 

 

チーム野田。あ、違った、チーム春日。

ボク、一番はまりました。今田さんやトリンドルさん同様、もう爆笑しました。

それに加えてギャグ芸人へのアンチテーゼが強烈で。あそこまでバカバカしいのに

あそこまでメッセージが入ってるなんて。

唸りました!

昨年のドラフトコントでチーム大悟が演じたコント。芸人チームが戦隊もののコント

を作っている風景。リーダーである大悟クンが昭和のナンセンス満載で作っていこう

とするのを、シソンヌの長谷川クンが「今は令和ですよ」「古すぎ」「今日で我々は

みんな死んじゃいますよ」等々、時代の違いを突っ込んでいく。が、結局リーダーの

権力で昭和のコントが出来上がる。それを最後上演すると、現実に大爆笑になってし

まって(^O^)。コントを通じて昭和の笑いに対する大アンチテーゼ。ものすごい問題

作だと思いました。ボク的には優勝でした。(^O^)

そして今年は野田クンのネタが、ギャグ芸人への大メッセージ。ご本人は〈説教〉と

おっしゃってましたけど。(^O^)

 

 

 

 

 

 

今ごろ島田珠代さん、びびってるやろな。(^O^)

感服いたしました!

ボク的にはこれが優勝です。爆笑度でもメッセージ性でも、そしてコントとしての

センス的にも。脱帽です。

 

 

チーム小藪。

最初、作っていく風景で、小藪さんが「新喜劇には一切しません」と宣言。けどあれ

新喜劇やで。(●^o^●) タイムスリップネタかて新喜劇にあるし。(^O^)

更には小藪クン本人の役どころとやり方、完全に新喜劇の小藪クンやで。(^O^)

全員でボケて、小藪クン一人がずっと突っ込む。あれ? さっきもそのタイプがあった

ような……そうなんですわ。ジュニアさんのと構図が同じなんですわ。そして回収に

映像を使うのも。

似てくるんでしょうか。関西出身の吉本の芸人さんは。(^O^)

で、このチーム小藪が優勝。おめでとうございます。

一つだけダメ出しを。病院のベッドの横 (上手側) にちっちゃい椅子を一つ置いては

ったらよかったのに。小藪クン、ずっと立ったマンマでのツッコミはしんどいでし

ょ。立ったり座ったりの方がより強弱が付いたと思いますよ。偉そうにすんません。

 

 

チーム田中。

岩崎う大さんの作品。

普通にふた昔前の小劇場演劇でしたね。(^O^) 日常の中に潜む闇。日常の裏の非日

常。昔よく見たような気が。(^O^)

第二文芸部の山﨑と武と話しました。全員まず言ったのは「あれは小劇場ですよね。

むかし下北で似た芝居を観たような(^O^)」、でした。(●^o^●)

チーム春日 (作者は野田クン) の練習風景の中でチョコプラの松尾クンが「野田さん

のこのネタは、マジカルラブリーのあれは漫才か?問題同様、今度はこれがコントか

?問題が起こるかも」とおっしゃてましたが、その問題はチーム春日ではなく、チー

ム田中のう大作品にこそ言えると思いました。

チームジュニアやチーム小藪は演劇であっても、完全にコメディです。更にコント的

なバカバカしさはキチンと入っています。つまりどんなに演劇寄りであっても、コン

トとしての矜持はキチンと保っています。

でもチーム田中のう大作品は、普通の小劇場にしか見えませんでした。日常の中に潜

む闇。広い意味では喜劇ですよ。コメディではなく喜劇ですね。下北の飲み屋で演者

たちが「人間を描いた喜劇だ」と言い張っていた芝居を思い出しました。

笑わせるポテンシャルの高い人たちが演じているから笑いが起きるけど、あの作品を

小劇場の普通の役者が演じてたら、笑いは起きなくて、普通の、日常に潜む闇を描い

た演劇としかみなされないような気がします。つまり喜劇でもない可能性が。

以下はボクの個人的希望です。

コントがどんなに演劇に近づいても、やはりどこかにコントとしてのナンセンスさは 

(言葉そのものではなく展開に) 残しておいて欲しいと思ってしまいました。そのナン

センスさに、お洒落なセンスを感じたいのです。あそこまでふた昔前のマンマ小劇場

だと……

ボク、何度も何度もコントの演劇化に脅威を感じてると書いてきました。でもこの作

品には脅威を感じませんでした。広い意味では喜劇であったとしても、一見の条件下

ではコメディにみえるかどうか。結婚申し込みネタはホームコメディの定番です。そ

してその後のホラー的展開。日常の裏の非日常。ね、小劇場のお芝居ですわ。だから

脅威に感じる必要がないんですわ。

あ、あくまでボクの意見です。なので「お前はバカか」と思われた方、謝っておきま

す。すみません。m(__)m

ちなみにかもめんたるのキングオブコントの優勝ネタ『路上詩人』、大好きです。

甘ちゃんアーチストの甘い理想と、大現実のおばさんとの攻防ネタ。皮肉、風刺、

「現実逃避すんな」のオチ。爆笑しました。傑作コントだと思います。

コント師に戻って欲しいなぁ。

てか、う大クンのたたずまい、話し方。40年前の若い頃よくいた小劇場の作・演出・

主宰の、斜にかまえた奴らにそっくりなんやもの。(◞‸◟)

 

 

 

 

とにかく今回は5作とも、より演劇的でした。

1本なんて完全に演劇だし。

 

 

今後、演劇のコメデイはますます考えないと。

 

 

明るい話は、今年のキングオブコントをビスケットブラザーズがナンセンスネタで

優勝したことです。(^O^)

どんどんナンセンスに戻ってくれないかなぁ。(◞‸◟)

 

 

 

ドラフトコント。来年も楽しみに待っております!

 

来週はまたまたコント番組『ただ今、コント中』だそうです。

でもサンドウィッチマンをはじめ、ナンセンスのプロが多そうやし、順位を競うわけ

でもなさそうやから、ナンセンスな作品が並びそうですね。よしよし。(^O^)

 

それにしてもコント番組、増えてきたなぁ。

 

コントすごいぞ。

負けるな演劇コメディ!

 

 

 

 

 

 

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