成程合点が 8月15日

〈ま〉の日常

 

 

本日は終戦記念日。

 

厳かに過ごしてます。

 

 

 

それにしてもオリンピック、日本選手、大活躍で

毎晩寝不足です。

素晴らしい!

 

 

でも仕事が進まない。(笑)

 

 

なので、ちょいと道草。

 

 

素晴らしい本を読みました。

 

 

 

随分前ですが、ここで、「ここ数年に読んだ本のダントツNO.1」

として『團十郎と歌右衛門』をご紹介しました。

 

いろんな方が読んで、「すごい話だ」「恐ろしい話だ」と

連絡をくださいました。

 

作者の中川右介さん、少なくとも10冊は売ったよ。

少し広告費くださいな。( ´艸`)

 

 

さて、その中によく出てくる先代松本幸四郎さん(初代松本白鷗さん)の所に

いらした千谷道雄氏の名著『幸四郎三国志』をようやく読みました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやくいろんなことが繋がりました。

 

 

成程合点です。

 

 

 

この本は、今から55年も前、先代幸四郎さんが突然松竹から東宝へ移籍された

演劇界の大事件を、行動を共にされた高麗屋の狂言方で制作担当の千谷氏(小説

『秀十郎夜話』で読売文学賞受賞)が、4000日(約10年間)に渡る菊田一夫先生と

の攻防をつぶさに書かれた貴重ノンフィクション本です。

 

 

面白かった。

 

当時の演劇界の様相がよぉく分かります。

 

 

 

で、何がすごいって、末尾に当時の作家、演出家、俳優、スタッフ

その芝居(一ヵ月公演)に関わった全ての方のギャラの一覧が、

まんま載っているのです。

 

 

へぇ!

 

 

そうなんや。

 

 

今から50年前の舞台のギャラ。

 

 

ちょいとショックでしたねぇ。

 

 

若い人やその他の人は確かに今の金額よりはるかに安いけれど、

作家、演出家は現在の額面より上なんですぞ!

 

貨幣価値が全然違う50年前。

ボク、小学校の時、ラーメン一杯50円だったもの。お好み焼きは40円。

 

 

それがあなた、額面、現在の作家より上って。

 

現在の価値に直したら、一本いったい幾らなんだ!

 

 

 

昔、山田五十鈴先生が、「作家は年に二本以上書いちゃダメ。その二本を

練って練って直して直して、いい本にしなさい」とおっしゃったと聞きました。

 

それを東宝のお偉いさんから聞かされた時、ボクはおなかの中で思いました。

「だったら二本で一年間楽に暮らせるギャラくれよ」と。

 

二本じゃ暮らせないもの。

 

でも、当時は、当時のギャラランク概念なら、たった二本でも

十分に遊んで暮らせたんですな。

 

 

 

いい時代だったんですな。

 

 

 

とにかく、ちょいとショックな、読み応えのある名著でした。 

 

 

 

 

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