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うーん、なかなか! 3月19日

読書感想文

 

 

 

 

今は3月19日の朝の5時過ぎ。

 

この日記で一昨年2013年2月3日「小ネタパラダイス」で書いた、

青崎有吾クン鮎川哲也賞受賞作『体育館の殺人』に続く第2弾『水族館の殺人』を

読みましたぞ。

 

 

 

 

 

 

この本、実は同級生のバーブにもらいました。

その時ボクが彼にあげたのが倉阪鬼一郎さんのバカミスの頂点『三崎黒鳥館白鳥館

連続密室殺人』

つまり2人で読んだ本を交換したという訳でごんす。

 

 

 

前にも書きましたが青崎クンは平成生まれの大学生。

とうとうミステリ作家の世界にも平成生まれが闊歩し始めた訳でやんす。

 

体育館の殺人の探偵は裏染天馬クンという高校生。

アニメオタクで天才で口のきき方が超上から目線。

 

前回天馬クンの口から「東大通」の名が出た時、おっちゃんひっくり返ったわ。

そうかて東大通というのはボクがまだ学校行ってた頃のギャグ漫画『東大一直線』と

続く『東大快進撃』の主人公で、どこひっくり返してもアホという奴です。

よく知ってましたね青崎クン。ま、作者の小林よしのり氏は有名人やから。

 

で、今回嬉しかったのは、イルカの件で出た「ルカー」

分かる人しか分からんやろけど、ボクの好きなアニメベストワンに出てくるルカー。

たまらんわ。

 

 

 

さて。

とにかく、とはいえ、天馬クンのそのロジックたるや、堂々たるもので、

前回恐れ入った池田でごんした。

 

で、今回も堂々の登場の天馬クン。

 

前回は高校の体育館で起こった密室殺人でしたが、

今回は水族館で起こった物凄い事件。

サメの水槽見学中、飼育員がサメに食い殺されて……でもそれが殺人事件で……

 

で、ミソはアリバイ崩しなんやけれど、それがいつの間にかちょいと変わってきて。

 

今回も天馬クンの堂々たる推理は健在で、

どこまでホンマか分からんハッタリかましでも納得してしまう恐ろしさ。

誉めてるんですぞ。

 

もしお手数でなければ、2013年2月3日の「小ネタパラダイス」も

読んでみて下されい。

 

 

更には今回は、前回天馬クンがちょっとだけ口にしていた妹まで登場します。

 

前回、こんな兄ちゃんがいたら、妹は大変やろなと思っていましたが、

妹も、まともかそうでないかの大いなる狭間の妹で……

 

 

そして最後に訪れる、やってくれました感の堂々のラスト。

 

なんか今回「堂々」という言葉ばっかり使てるな。

 

 

才能のある若い人の本て、というより、この作者クンの才能って、

しっかり本格やってて、端正なロジック重視で

なおかつ飛んでくれる思い切りの良さ。

 

なんといっても文章がうまい。

読みやすく、的確、で、読んでて楽しい文章なのです!

 

特出は会話のうまさ。

この人、脚本家になっても絶対売れる!

 

だから、前回といい、今回といい、たった一人しか殺されてないのに、

単行本一冊分悠々と持たせられるわけですな。

 

ここしばらく高校生が活躍するミステリーが続いたけど、ダンチです。

 

流石1997年より始まった本格ミステリベスト10で、

2013年度第2位になっただけのことはあります。

 

 

これからも大大大注目の御仁ですな。

 

 

 

って、文章以外、感想よく分からんがな、って?

 

そうかて、ミステリは、特に本格物は、うっかり何にも言われへんねんもん。

 

地元あるいは大学でのミステリ仲間では、ボクが本格物大好きとみんな知ってる

わけやから、「これおもろいぞ」と勧められた本は、間違いなく本格の不可能趣味な

わけですよ。

 

その信頼関係がミステリ仲間なわけで、だからちょっとでもネタバレ的お勧めは

いたしません。

 

って、俺たちはお前とミステリで信頼関係築いてないやろ、って?

 

ごもっとも。

 

でも、これ以上は! これ以上はぁあああああ!

 

 

 

とにかく、なかなかの本でござるぞ。

 

 

 

これで、最近のマイナスクンも吹き飛んだし、

 

夕べ今朝で、今月の投稿2つ稼いだし、ばらすなよ。

 

 

とにかく、明日から(というか今から寝るんやし今日か)、仕事に復帰だ!

 

 

 

 

 

甲斐クン最後の相棒考 3月18日

〈ま〉の日常

 

 

 

 

今日で大好きな相棒の今シーズン終了でした。

 

なんか今回多いな相棒考。

 

で、ここまできたら、今シーズン最後やからやろうと決めてたんですけど。

 

 

 

…………

 

 

 

その前に。

 

『ゴーストライター』が昨日終わりました。

 

 

 

 

 

 

中々見ごたえがありました。

 

ゴーストって、昨年随分話題になりましたね。

 

でも、あるんですよね、世間には(笑)

 

例えば企業で○○さんが大発明しても、それは企業の名前で発表するでしょ。

この場合だって、○○さんはゴーストってことですものね。

 

 

 

 

 

さて、相棒です。

 

いつものようにネタバレありです。ご注意を。

 

いつものようにボクの勝手なトンチンカンな感想です。お許しを。

 

 

 

 

 

 

今回は〈情〉の話でした。分野としては犯罪小説ものでしょうか。

 

話の進行は本格物ではあるけれど……

 

今シーズンの最終回、2時間スペシャル、甲斐クンの最後、

もっと大きな話が来ると思っていました。国家的陰謀とか……

薫ちゃんの時も、尊クンの時もそうでしたので。

 

 

びっくりしました。

 

 

甲斐クン、この後どうなるんやろ。

 

最初の、親友の妹を殺したハマナカチュウヤへの暴行を合わせて6件、

全部暴行だけやから、懲役2~5年てとこでしょうか。

 

この後彼はどんな人生を歩むのでしょうか?

 

彼女の体調は? 無事出産するの? 石坂さんとの関係は?

 

 

あくまでもボクの勝手な感想です。お許しを。

 

今回1話だけを見れば成立していると思います。

ミスリードやドンデン等ミステリ要素がなくっても、

甲斐クンがいきなり、愉快犯のような自己主張の強いアホな子になっても、

模倣犯の殺人犯を検察から助け出しボコるなんて不必要な行動を取っても、

成立しているのですが……

3年、いえ今シーズンの半年だけで見ても、今回のみいきなりすぎて……

成立していると言えるのかどうか、ボクの頭では分かりません。

 

成宮くんの卒業が発表されたのが2月初め。

余程急なことだったのでしょうか?

その時点で18話までの脚本は既に出来ていて、この回のみで全てを、

いえ、甲斐クンが犯人で作らねばなければならなくなったのでしょうか。

しかも超短時間で。

せめて、いきなり出てきた過去ではなく、今起こったオンタイムの事件なら……

 

分かりません。

 

 

 

例えば、甲斐クンが起こした傷害事件は、最初のハマナカチュウヤの1件だけで、

後の5件は、そのハマナカチュウヤが自身の境涯を逆恨みして起こした事件だった。

つまりダークナイトはハマナカチュウヤ。

これならまだ救いがあるように思います。

1件の暴行事件だけだから甲斐クンも執行猶予付きで、

三宿あたりでバーを経営ってことで。何やそれ。

 

 

それよりも、法律の非情性の方が際立ったと思います。

 

ドラッグのせいで人間じゃなくなっていたから無罪放免?

そんなバカな。

いやいやいや、直ぐに人間じゃなくなる奴こそ絶対隔離が必要でしょ。

もう絶対大丈夫と国家が責任をとれるだけの保証ができるまで隔離収監でしょ。

なのにこの国の法律では直ぐに無罪放免。おかしい。

 

少年法だっておかしい。

 

人間が作った法律なら、おかしいとなれば直すのが筋だと思うんですが。

時代は変わる。子供の成長度も。ドンドン新しいドラッグも出るし。

たとえ法律を正してもイタチゴッコ。

それ程世の中は変化しているのに、法律だけは昔のまま。

作った人の権威を後輩がいつまでも死守し、その為に悲劇が起こる。

 

メンテナンスしましょうよ、法律も。

2年に1度はメンテナンス。

「法律メンテナンス」法案、国会で通しましょうよ。

 

そういうお話かと思って観ていました……

 

 

 

…………

 

 

 

こんなことを考えてしまいました。

 

昔、親友の妹(その時点で甲斐クンの彼女)がジャンキーに殺され、犯人は無罪放免。

甲斐クンは法に従い我慢した。

なのに、今、犯人が又も殺人を犯し、なのに又も無罪放免。

ここで甲斐クンぶち切れ。法律とはなんだ! 正義とはなんだ!

さぁ、右京さんのいつもの法律的正義感と、甲斐クンの人間なら誰でも

持っている正義感が真っ向からぶつかって、甲斐クンは犯人を殺す決意を。

犯人を追う甲斐クン。その甲斐クンを追う右京さん。

息詰まる二人の頭脳戦。追いつ追われつのサスペンスアクション。

右京さんは甲斐クンを阻止できるのか。甲斐クンは犯人に復讐できるのか。

ついに甲斐クンは敵を討ち、殺人犯となって連行されるが、

その顔は晴れ晴れとしていた。

 

すみません。アホな子のたわごとと笑って下さい。

 

 

 

 …………

 

 

 

 右京さんのあのセリフが妙に耳に残って。

「君なら分かる筈です。どこで間違ったのか。僕と三年も一緒にいるのですから」

 

微妙に違うかもしれませんが、こういうセリフでしたよね。

このセリフ、甲斐クンに言ったのか、成宮くんに言ったのか?

 

それとも、夏あたりにもう1本、スペシャルをお作りになるのでしょうか。 

 

 

そんなことまで考えてしまいました。

 

 

 

…………

 

 

 

『かぐや姫の物語』のラストのショックがまだ尾を引いてるところへ……

 

何だか仕事が手につかなくなって……

 

今月末に読もうと思っていた青崎有吾さんの『水族館の殺人』を読むことにします。

  

 

 

それでも、やっぱり、相棒は好きです。

 

来シーズンも楽しみに待っております。

 

誰が相棒になるのか。そこも楽しみですし。

 

 

 

ふざけずに、真面目に書きました。本当にお許しを。

 

 

 

 

 

 

横溝正史賞二題 3月16日

〈ま〉の日常 読書感想文

 

 

 

 

今年の前半は1月も2月も、5月と6月の新歌舞伎座さんも脚本だけで、

演出はしません。

 

前半でボクの演出は5月のNLT『月の小鳥たち』までないもんだから、

空いた時間、どんどん前倒しで先の脚本を書いてます。

 

なので、まだまだ時間はございますので、ご用命お待ちしています。なんやそれ。

 

 

とにかく、そしたら、出ました。

 

いつもの「読みたい本読みたいねん症候群」!

 

 

というより、一昨日土曜日の『かぐや姫の物語』のラストの衝撃が

今だにショックで、あれ以来なんか仕事が手につかず、

そこで気分を変えるというか整えるために、

日曜日から月曜日の今朝まで、2冊読んでしまいました。

 

 

これです。

 

 

 

 

 

 

 

1冊は2011年の第31回横溝正史ミステリ大賞〈受賞作〉の長沢樹さん

『消失のグラデーション』

 

もう1冊はそれより8年前の同賞〈落選作〉の村崎友さんの

『夕暮れ密室』でごんす。

 

 

 

横溝大先生の名を冠したこの賞は、

本格推理とストーリーテラーに生涯を賭けた先生とは少々違い、

いわゆる本格物とは少ぉし趣が違って、実は本格物が少ないのです。不思議。

 

なのでボクはあまり読んでいません。

 

 

でもこの2作は本格物なので読んでみたという訳でごんす。

 

 

2作には共通点があって、2作とも高校生が主人公。

その学園内を舞台にした青春ミステリ。

更には前者はバスケット部、後者はバレーボール部。

そして密室及び密室状態や消失と言った不可能犯罪が登場します。ズバリタイプ。

 

 

 

ちょっと待て。

後者の〈落選作〉ってなんやねん? そんなん出版されるのか?

と思われている方、ボクなりにご説明しませう。

 

 

実はミステリーの世界では、公募の新人賞で落選作が少し遅れて出版されるという

ことが、ちょいちょい起こるのです。

 

落選作が出版されるにはどういう理由があるのか?

 

① 落選した作者が、悔しくて自費出版する。

② ミステリとしてはよく出来ているけれど、作家としての力量つまり

  文章が素人なので、何年かかけて推敲し、レベルが上がった時点で出版。

③ 凄いトリック、驚愕の真相、意外な犯人、手慣れた文章。なのに

  1箇所辻褄が合わなかったり、アンフェアプレーをやっちゃうと

  それは落選、というより失格なのです。そう、ボツ!

  でもおしい!

  そこで、その箇所を直して出版。

 

 

①はともかく、②と③が現実に時々起る訳です。

 

そうなると、キチンと直してからの出版になるので、

先に出版された受賞作よりも、面白いものが結構あるんですよ。

 

受賞作より面白い落選作。こんなのミステリの世界だけでしょうね。

 

でもホントにけっこうあるんですよ。しかも今や名作と言われているものが。

 

 

さて、どちらもよく出来た青春ミステリでした。ロジックもなかなかで。

 

 

 

しかし、2作とも……今の女子高校生て、ああなんや。

 

軒並み男子より行動的で、しかも男言葉で、男子よりも上から目線で。

 

メイン級の女子は、2作とも、出てくる奴出てくる奴みんなそう。

 

いわゆるボーイッシュとは違うねん。とにかく読んでると男か女か分からんねん。

そういうトリックもあるけど………脇役の女子までもね。

 

テレビドラマであそこまで上から目線やったら視聴者なんて思うやろ。

 

そこだけがおっちゃん、ちょっとなぁ……

 

 

ま、こっちはオッチャンやから、もう古いのかな……

 

 

 

それと、村﨑友さん、読みは(むらさきゆう)さんですが、

読み方では(むらさきとも)とも読めますよね。

 

元宝塚娘役トップスターの紫ともさんのファンなんやろか。

 

そんなとこが気になった池田でごんした。

 

 

 

 

 

あまりに哀しいかぐや姫 3月14日

 日記

 

 

  

 

又々ご無沙汰をしてしまいました。

 

なんやかんやで……お許しを。

 

 

 

さて。日付が変わってしまいましたが、先程、

高畑監督の『かぐや姫の物語』をテレビで見ました。

 

オスカーの候補にもなっていた訳で、それで、まぁ何となく……

 

 

かぐや姫の話は日本人なら誰でも知ってますよね。

 

 

 

30年くらい前『竹取物語』は市川監督で映画になりましたよね。

錚々たるスター映画で、でもあれ月の使者ってUFОでやってきて、

最後にいつの時代や分からんSF映画になってしまってて、

月からそんな高度文明の大UFОが飛んでくるんやったら、

ついでに地球侵略していくやろ、と、

突っ込んだ記憶だけが残っています。

 

これですね。

 

 

 

 

 

 

 

すごいことになってるでしょ。沢口靖子さんがUFОに吸い込まれていくんやで。

 

 

 

 

 

 

で、今日(もう夕べか)見た『かぐや姫の物語』です。

 

 

 

 

 

 

 

 

すごい、深い、素晴らしい、そしてあまりにつらい映画でしたね。

 

つらいというのはダメというのではありません。あまりに無情なという意味です。

 

 

 

ストーリーはほぼ原作に忠実です。

 

 

ということは、結末は誰でもよく知っている「かぐや姫が月へ帰る」なんですが、

今日のを見て、今までこれほど絶望する話だとは思いませんでした。

 

 

ま、それだけボクが気楽に生きてこれて幸せだったという事ですが。

 

 

 

竹から生まれた女の子が、翁と媼の子になって、すくすく育って、

かぐや姫と名付けられて……でも、月へ帰る。

 

 

見ていて思ったのは、この原作って、仏教の教え、お釈迦様の教えを

広める為に書かれた物語なのだろうか?、という事です。

 

 

つまり、「人生は〈苦〉を背負って生きていく道」という教えですね。

人間は生まれ、育ち、老い、死ぬ。

その間勿論楽しみ、喜びもありますが、苦しみ、悩み、悲しみのオンパレード、

そして、死。

生・老・病・死、四苦八苦……

 

 

 

だって、最後の月に帰るシーン、あれって〈死〉でしょう。

 

 

この年になって初めて気がついたわ。かぐや姫の結末って無情な死なんだと。

 

 

 

 

以下少々ネタバレありです。

 

 

 

姫がおじいさんとおばあさんに言います。

「8月の満月の夜に月から迎えに来る。それはどんな力をもってしても

坑がえない。月の着物をまとった瞬間からこの世界の記憶はすべて消える」と。

 

驚いたおじいさんは、帝の協力を得て、武力で屋敷を固め、姫を守ろうとします。

 

そこへ……雲に乗った月からの迎えが来ます。

 

 

その映像が出た瞬間、ボクはゾッとしました。

 

 

迎えは、阿弥陀如来様(確かそうですよね)を頭に、菩薩様、天人、楽人、迦陵頻伽が

明るい天楽を奏で、天の花弁を振りまき、悠々とやってきたのです。

まるで楽隊を引き連れ、ちょっと遠出をする貴族達の楽しい午後の趣向のように。

ですがそれは、動かしがたい定理。絶対に逆らえない、絶対的な決まり事として、

やってきたのです。

 

死者を迎えにくる来迎図。

 

人間には勝てるはずのない節理の一団が、音楽を奏でながら、段々近づいてくる。

 

迫りくるその瞬間。

 

ボク、ジェイソンより怖かった。

 

姫もおじいさんもおばあさんも、抱き合って泣き、拒み、それが叶わぬなら、

運命を共にしてくれと懇願します。

 

しかし月の使者は「月に帰ればもう苦しみはない。この世界での穢れも消える」と

言って、姫に着物を着せます。本人の許可もとらず。

 

 

ようやく気がつきました。

 

 

月というのは、極楽浄土という意味だったことに。

 

 

姫は、着物を着せられたその瞬間、死んだのですね。

 

 

おじいさんの事もおばあさんの事も忘れ、雲の上の御座に座り、

優雅な音楽と共に月へ帰っていきました。

 

後に残されたおじいさんとおばあさんに訪れたものは、悲しみ、絶望、

決して消えない打ちひしがれた余生だけでした。

 

 

ここまで見てくると、前半の山暮らしの、明るく、瑞々しく、この世の全てが

笑顔で光り輝いていた少女時代のシーンが、なんて切ないのか……

 

 

でも待てよ。

竹取物語の作者(作者は不明です)が、仏教の教えを説くの為に

物語を表したのであれば、この結末はないよな。

 

仏教を信じれば、極楽へ行ける。だから死ぬことは怖くないし、終わりではないと

しなければならないのに、あまりにも無情すぎる。

 

 

そうか。

 『竹取物語』の作者は、仏教の教えに則って物語を表しながら、

「でも、それちょっとちゃうやろ」と言いたかったんだろうな。

 

後に残ったものの悲しみを、本当に救えるのか?、と。

 

 

『竹取物語』とは、そういうお話なのかな?と、この歳で初めて思った池田でした。

 

というより高畑監督だけの冷酷な解釈なのでしょうか。

 

あれが、月から光が伸びて、雅楽の響の中、始皇帝のようなお姿の天帝が

女官、文官、武官を引き連れて現れ、姫の手を取って月に帰って行ったのなら、

ただ姫を迎えに来ただけ。

月と地球に分かれても、姫は月の世界で幸せに暮らしていると思えるのに。

 

 

あまりにもショックでした。

 

 

 

 

後一つ。

 

 

これは物語の後半に分かってくる話ですが、こういうシーンがありましたよね。

姫は月にいる頃、ある女の人に出会います。その人は昔罪を犯して地球に落とされ、

その償いが終わったので月に戻った、地球での記憶はすべて消されて。

でもその女の人は、ある童歌だけはなぜか覚えていて、それを口ずさむと、

記憶がないのに涙が出る。

その人に出会い、姫は地球にあこがれ、その罪によって地球に落とされた。

地球に落とされた時点で赤ちゃんにされ、記憶を消されている。

なのに姫も、その女の人が歌っていた童歌を覚えていた。という事は、

「私も、記憶を消されて月へ帰っても童歌だけは覚えているのでしょうね」

 

という事は、月に返された姫が、記憶もないのに童歌を口ずさみ涙するその姿を

また別の女の子が見て地球にあこがれ、地球に落とされる。そして……

 

この繰り返しが起こるという事ですよね。

 

これって輪廻転生の事ですよね。

 

 

やっぱり深いなぁ、この話。

そして、あんまりやなぁ、この話。 

 

 

 

アニメを見てこんなことを考えてしまいました。

 

そんなん俺らずっと前から知ってたで。

 

ボクは、初めて考えたんですがな。

 

それほどの映画だったという事ですな。

 

 

やっぱり深い……

 

 

 

 

 

5月の池田の舞台に出ませんか 3月1日

ごあいさつ 池田政之の仕事

 

 

 

劇団NLTの今月末に二次試験がある演技部研究生になられた方の内、

優秀な方、5月のNLTのお芝居に出演出来ることになりました。

勿論ボク池田政之の本演出で。

 

 

 

とはいえ、まずは順を追って。

 

 

 

現在、劇団NLTでは山上優ちゃんがパリで仕入れてきたコメディ

『ミントティー、それともレモン?』の稽古の真っ最中です。

 

 

これですね。

 

 

 

 

 

 

 

3月4日初日ですが、その前日のお雛様の3日には

プレミアム公演があるようです。

 

皆様、是非。

 

 

 

 

 

そして3月にはNLTの入団試験があります。

 

演技部(俳優)と演出部(スタッフ)共に研究生の募集です。

 

応募受付は3月16日から23日、試験は29日となります。

 

 

NLTには養成所がありません。(昔はありましたが)

そこで、合格入団者は舞台の稽古に直接付き、現場で芝居を学びます。

 

 

これまでも、成績優秀者は1年目でもドンドン舞台・テレビに出てきました。

去年も1年目の樋口裕哉が『人質に乾杯』で主役に、

立山東紀が『法廷外裁判』で重要な役で、出演しました。

 

でもこれらは入団後、決めることです。

 

でも今年は5月の舞台、山崎哲史が脚色、ボクが潤色・演出の

『月の小鳥たち』は登場人物が多く、

最初から新研究生にもチャンスを与えることになりました。ラッキー。

 

 

応募の詳細はNLTのホームページからここをクリックしてください。

 

 

 

 

 

 

勿論このボクのホームページのトップからNLTへ行けます。

 

 

 

 

さてさて、その試験に受かり無事NLTの新研究生になられた方から

優秀な方、5月のお芝居に出演できることになりました、という舞台です。

 

 

5月29日より シアターグリーンboxinbox『月の小鳥たち』

 

 

 

 

 

 

 

パリ郊外の全寮制高校が舞台。

ワンマン校長の妻の兄が亡くなり、莫大な遺産は妻のものに。

狂喜する校長。しかし妻の姿がどこにもない。

脱ぎ捨てられたドレスのうえには1羽の小鳥が……

まさか妻が小鳥に? その小鳥を猫が狙っていて。

「妻を猫から守れぇ!」

更にもう1羽小鳥が飛んできて2羽はイチャイチャ。

「妻が浮気してるぅううう!」

その日から学園は小鳥だらけになっていった。

鬼才マルセル・エーメが60年も前に発表した

抱腹の学園SFファンタジーコメディの傑作の登場です。

 

 

 

是非是非、奮って応募くださいまし。

 

 

一緒に舞台を作りませう!

 

 

 

 

 

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