最近多いぞ相棒考 2月9日

 日記 〈ま〉の日常

 

 

 

 

予定が変わり、漸く8日の夜、録画していた相棒の13話と14話を

続けてみました。

 

 

そう。森岡豊クンが出ていた14話も。

 

 

ここにも何度も書いているので、ボクが相棒が大好きということは

皆様よくご存知ですよね。

 

 

その相棒に森岡が出た。

折角森岡が出たのだから、スペシャルじゃないけれど

相棒考をやってみますね。とはいえ、最近多いな。

 

 

 

そうそうその前に。成宮クン、卒業ですって!?

 

これから終盤、父親(石坂さん)との関係や、いろいろと、

大変なんでしょうね。目が離せません。

 

 

 

あ、ネタバレありですのでご用心を。

 

それといつもの通り、これはあくまで僕の個人的意見ですので、

先に謝っておきます。ごめんちゃい。気にしないでくださいね。

 

いつもこればっか。

 

 

 

 

 

ではまず13話から。

 

床嶋佳子さんがもうあんなおばさんの役をおやりになるなんて。

こっちも年を取るはずです。

それはお美しいバレエダンサーだったんですよ。

 

それにしても山本むつみさん、すごい事をおやりになられましたね。

 

山本さんとはNHK『御宿かわせみ・第二章』でご一緒しました。

年はボクより上ですが、それが彼女のデビューでした。

その後、あれよあれよで朝ドラから大河までおやりになられて。すごい。

その方が前シーズンで相棒を書かれたとき、それは楽しみに拝見しました。

山本さんらしい人間の情を突き詰めるお話でしたが、1点だけ、

「ああ、舞台の事はよくご存じではないんだな」と。

 

 

それが今回、おっちゃん、ぶっ飛んでしまいました。

 

新喜劇の先生が書いてはるのかと思いました。

 

笑った笑った。面白かった。

いやぁ、レギューラー的な事は、何もかもぶち込みましたね。

 

ただ1点だけ。床嶋さんが『花の里』に来るのだけは。(笑)

そんなあなた、そんな偶然、全員出そうとしてムリクリ感満載。(笑)

その理由も理由で。(笑) あまりのご都合に、逆に快哉を叫んでしまいました。(笑)

 

でも、こんな回もありなんですね。

 

ホントに気楽に楽しく拝見致しました。(特に花火には大笑い)

 

 

 

 

 

 

続いて問題の14話。

 

いよいよ森岡の回です。

 

 

 

 

 

 

おお、相棒にガッツリ参加してるぜぃ!

 

 

 

さて、今回は『アリス』の太田愛さんの脚本です。

 

アリスは去年も書いたけれど、傑作です。

 

今回も、アリスの雰囲気そのまま。流石でございます。素晴らしい。

 

よく出来た本格ミステリーです。

まるで原作のある海外ミステリーを、1時間ドラマに脚色したような。

 

ただ、おしい。

 

それは……

 

時間が足りませんでしたね。

 

1時間、実質43分では時間が足りなくて、

だから話を成立させるのには少々〈?〉が目立ってしまったように思います。

 

 

人物の心情は、一言のセリフででも表現できます。

俳優がその表情、つまり演技で補えばいいからです。

「憎い」。それだけでも分かります。

 

でも、トリックや動機は、説明が完全でなければ納得させられません。

 

どんなに俳優が憤怒の顔をして「憎い」と言っても、

「えっ、それで殺す?」や「そのトリック、ホンマにうまく行く?」と

なってしまうからです。

 

 

万座で恥をかかされて、しかも奏(かなで)ちゃんを後継者のように言われても、

育てるのはあなた達なんですから、やり方は他にもあるんじゃないのかな

と思われてしまったら、動機が弱くなります。

 

それより、子供をあのようなやり方で殺す鬼のような奴なら、

森岡に、窓を開けるところを目撃され、殺人を知られ、それを盾に脅されて、

ドイツ留学を許すかなぁ。それより口封じをすると思うけどなぁ。

ごめん森岡、ボクならお前殺すわ。(笑)

 

 

それと、殺されていた奏(ホントは響(ひびき))ちゃんの手にあったアザミは

どこから出てきたのでしょうか。

ずっと部屋に閉じ込められて、スズメバチの件で窓もしめられていたのに。

元々部屋にあった? アザミって部屋に飾ります?

 

ウサギの着ぐるみ。効果はありました。非常に欧米のミステリー的です。

でもなぜウサギなんでしょうか?

ウサギにまつわる恐ろしい伝説があるとか、二人がウサギが好きとか嫌いとか、

神宮公房は実はウサギのぬいぐるみを作ってるとか。そんなアホな。

アリスへのオマージュでしょうか? それもなぁ。

それらの話は出てきませんでしたよね。

 

 

 

 

それよりもっと問題なのは……

 

 

ミステリーに双子が出たら入れ替えトリックは常識です。

 

本当に殺されたのは奏ちゃんか響ちゃんか?

 

ボクでも最初からそこは疑って観ました。

 

やっぱり殺されたのは響ちゃんで、生きて復讐するのは奏ちゃんでした。

 

 

 

とすると一つおかしなことがあります。

 

 

成人したのは響ちゃんとみんな信じている。

職人のオジサンが「響は耳がいい。一流になる。横手(森岡)なんかより

ずっと上」との発言がありました。

つまり響は耳がいいと。

 

しかし、15年前バイオリンの違いを指摘したのは、死んだ方の奏ちゃん。

 

でもその場に居合わせた右京さんが、バイオリンの違いに気づいたのは響ちゃんで、

彼女が奏ちゃんの耳に囁き、気の強い彼女がそれを指摘したと、指摘しました。

 

そう、耳のいいのは奏ちゃんではなく生きている響。

 

右京さんの記憶と、職人のオジサンの証言が一致し、

生きているのは耳のいい響ちゃんと証明されたわけです。

 

ミスリードではなく、主役探偵が証明したのです。

我々はそれを信じていいわけです。

 

生きているのは響!

 

ところが、双子入れ替えのトリックで、生きていたのは

気の強い奏ちゃんでした。

身を守るために大人しい響を演じていたのでした。

 

 

ちょっと待って。

 

え? 耳がよくない方の奏ちゃんが生きている?

でも我々に対する情報としてオジサンは耳がいいと言った。

 

つまり、生きていたのが奏だと、右京さんとオジサンの情報が

食い違ってしまうのです。

 

そして、それに対してのキチンとした説明はありませんでした。

 

 

つまり、この瞬間、フェアプレーではなくなってしまったのです!

 

 

事実、謎解きの最後、生きていた実は奏が「いつから私を疑っていたのか」の

くだりで、右京さんは嘘をついたことを告白します。

それは「バイオリンの違いに気づいたのは響さんですねとボクが言う前に、

彼女は逃げてしまった」と。

ですが右京さんは、響ちゃんが奏ちゃんの耳に囁き、

それで奏ちゃんが行動に出た事は目撃していて、

耳のいいのは響ちゃんであるという認識を否定していません。

 

つまりあくまでも耳のいいのは死んだ響ちゃんの方なのです。

 

 

双子なのですから二人とも耳がいい。

ただ、響の方が更にいい、という情報でも入れておいてもらえれば

なんとか辻褄は成立するのですが……弱いか。

 

 

尺の都合で、編集の段階でカットされたのでしょうか。

ボク達はそう忖度するしかありません。

 

アザミを手にしていたことも、なぜウサギだったのかも。

 

事実、宣伝に使われていた森岡の写真の場面も出てこなかったし。

 

 

 

 

 

これです。

カットされたな。(笑)

 

 

 

小説は、補足的書き込みと筆力によって、黒いものでも白と、

いくらでも読者を納得させることができます。

 

ですが、秒単位で決められた時間内で成立させるテレビ脚本は、

時間との兼ね合いで、話の規模や深さを考えねばなりません。

 

ましてそれがロジックの本領・本格ミステリーであれば尚更です。

 

2時間枠のスペシャルでおやりになってもよかったように思えてなりません。

 

それくらい素晴らしい題材でした。そしておしいと思ってしまいました。

 

でも2時間になるとやっぱり森岡の役は殺されるやろなぁ。(笑)

 

 

 

 

とはいえ、13話と14話、こんなにもタイプの違う話を並べられるなんて、

やはり相棒は素晴らしい。

 

 

これから終盤。

引き続き楽しみに見ますね。

甲斐亨君の卒業までついているのですから。

 

 

 

 

あ、森岡の事書くの忘れてた。

 

 

一昨年去年と本当に頑張っている分、キャリア、経験、努力の痕は

ちゃんと見てとれましたですよ。

 

 

一番弱い〈す〉の発音も問題なかったし。

 

 

 

今の人は〈す〉の発音が弱い人が多いですね。

「そうです」の〈す〉がおかしいんです。

リーガルハイ2の羽生クンも、こちらの甲斐亨クンも傾向があります。

 

どう発音してるかって?

 

分かりやすく真似るとすると、〈す〉を〈せ〉に置き換えて言ってみてください。

「そうです」を「そうでせ」に。

 

気を許すと、あるいは緊張すると出てしまうんでしょうね。

羽生クンなんか黛センセイと喋ってる時はそうでもなくても

法廷場面になると。演技が確かなのにもったいないなぁ。

 

 

今の若者を描く時は「です言葉」はあまり使いませんから問題はありませんが、

大人や、社会的立場のある人物、ビジネスマンや官僚や弁護士は基本が

「です言葉」です。

 

だから若い人は注意しましょうと、NLTの若い奴らにもいつも言ってる

池田でごんす。

 

 

 

 

 

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