新旧東西受賞作二題 12月27日

読書感想文

 

 

 

今年もいよいよ押し迫ってまいりました。

 

ついこの間これと同じことを書いた気がします。

つまりあれから早くも一年。一年の早さが年々驚異的に加速していきます。

 

 

さて、又サボって読書をしてしまいました。そうかて活字欠乏症が出たんやもん。

 

 

去る11月24日、このブログで「フレンチミステリー三題」で書いた

もう絶版で手に入らない、それも日本で出版されたのはなんと1937年、

当時のミステリー月刊誌『新青年』(あの横溝正史大先生が編集長を務めていた)に

一度掲載されただけの、1930年フランス冒険小説大賞記念すべき第一回受賞作

ピエール・ヴェリー作『絶版殺人事件』が手に入りました。

 

絶版の『絶版殺人事件』て、シャレか。

 

ちなみにフランス冒険小説大賞というのは、フランス犯罪小説大賞とも訳されて

いて、85年の歴史を誇る、フランスミステリ界で最も権威のある賞でやんす。

 

ただ、フランスミステリはサスペンスや犯罪小説が主で、本格物は数本しか

受賞してません。

で、あと手に入らないのが第一回目の『絶版殺人事件』でやんした。

 

 

あのあとすぐ、ブロクを読んだNLT文芸演出部で、

先日NLTコメディ新人戯曲賞審査員特別賞を受賞した山崎哲史から電話が。

 

「ネットの古本屋で見つけました! どうしましょう!」

 

当然「買うといてんか!」と言って電話を切ってハタと気がつきました。

値段ナンボや?

 

慌てて電話したら「今注文完了しました。9.300円です」

 

9.300円? きゅうせんさんびゃくえん!!!!!

 

でも頼んじまったから買いました。

 

これです。

 

 

 

 

 

見よ、1937年発行の月刊誌を!

 

色が薄いのは、セロファン紙がかぶせてあるからでごんす。

 

中身こんなん。

 

 

 

 

 

 

すすけて文字が薄い。流石に78年前の雑誌ですなぁ。

 

しかも、横書きは右から読み、旧仮名遣い、旧漢字、ルビあり、

完全に戦前ですなぁ。

 

「医学」は「醫學」。ついているルビは「いがく」ではなく「いぐあく」。

「じゃそうしましょう」は「ぢやそうしませう」。「ちょうちょ」は「てふてふ」。

 

ボクは、父からもらった父の蔵書の、戦前出版の世界名作全集や

世界戯曲全集や歌舞伎名作全集で読んでたからギリギリ何とかなったけど、

今の若い人には大変でしょうなぁ。

 

フランスものにしちゃ中々でしたぞ。

 

特に探偵のトランキーユが登場してからの解決篇はしっかり本格物をしていました。

特に、密室状態での毒殺の心理トリックと、犯行の動機はなかなかでやんした。

 

前回の三冊より、出来は上かもしれません。読みにくいけど。

 

これでボクが生まれる前のフランス本格ミステリーは読了ということで。

 

山崎、ありがとう。

 

 

 

 

さて、もう一冊は、今年の直木賞受賞作東山彰良氏の『流』でごんす。

 

こちらはうってかわって、最新のミステリーでごんす。

 

で、これです。

 

 

 

 

 

いやぁ、驚いた!

なんと流麗溌剌な文章!

読める読める。するするするする読める読める。

ここまで苦闘ノッキングせずに、時間経過も気づかず世界に入り込み、

気づいたら数時間たっていたなんて本は久しぶり。

横溝大先生、隆慶一郎氏、山本一力先生、島田荘司氏以来五人目やで。

島田氏は「水晶のピラミッド」「アトポス」の劇中劇の部分に限るけど。

それやったら江戸川乱歩先生『孤島の鬼』内のひでちゃんの手記も入れなな。

あ、シドニー・シェルダンの超訳シリーズがあったな。あれ入れるか?

 

感服いたしました。

  

さて、その内容、感想は……

 

ごめん。朝や。眠くなってしまいました。早よ寝な。

 

今宵はここまでにいたしましょう。

 

感想は次回のお楽しみに。

 

というより、起きたらここに書きますわ。

 

それでは。

 

明日名古屋行きやねん。あ、もう今日やん。

寝る時間あるか?

 

 

 

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