コメディ要素の塩梅 6月20日

〈ま〉の日常

 

 

 

99.9が最終回でした。

 

 

 

 

 

 

 

今期ではもっとも楽しませていただきました。

 

あれ、絶対パート2行きますよね。

 

ラスボスの奥田さん、まだいるし。出世できなかったようやけれど。

 

深山クンのお父さんの無罪も晴れてないし。

 

最終回はその話やと思ってました。

視聴率がいいので引っ張ったのかな。(笑)

 

映画かな? スペシャルかな? やっぱりパート2やな。

 

 

 

楽しみにしています。

 

 

 

けど……

 

 

 

なんやろ、このモヤモヤ感。

 

 

夕べ読んだ『屋上の道化たち』がまだ尾を引いてるのかもしれません。

 

 

つまりですね、シリアスドラマとコメディの融合の難しさですわ。

 

 

コメディドラマ、コメディ映画、コメディ舞台。

 

シリアスと違ってコメディって?

 

 

シリアスには人生がかかっている深刻さがあって、

コメディにはそんなものはない?

 

いいえ。

浮気がばれそうになって大慌てしている男のドタバタ劇でも、

それが奥さんや、周りにばれたら、その男の人生が終わってしまうかもしれません。

 

 

つまり、ことの深刻さはこの際関係ありません。

 

 

要はそのお話を、深刻さで見せるのか、笑いで見せるのか、の筈です。

 

 

その時、大切なのは、お話のタイプ、内容です。

 

 

例えば、名作『リーガルハイ』で、妻が整形していたので離婚したいという

話がありましたよね。ドランクドラゴンの塚地クンが出たやつ。

 

あれもことの深刻さは、整形していた妻も、知らなかった塚地クンも

ことと次第では人生にかかわる大事件です。

でも扱う内容が、整形裁判で、離婚理由が、ブ男の妻にブスがなったら

できてくる子供もブサイクだからという理由なんて、コメディで描いても

何の問題もありません。

 

一方、メインテーマだった小雪さんの裁判は、死刑か冤罪かの裁判です。

法廷場面は徹底的にシリアスで進みます。付随の周りはコメディでも。

 

 

その塩梅が見事でした。

 

 

だから法廷で、毒薬の入った瓶が出てきて、スパイスの瓶にそっくりで、

新垣結衣さんが「なんだかとっても美味しそう」と言ったとき、

ボクは爆笑してしまいました。脚本の勝利です。

 

 

 

 

この塩梅が悪いと、シリアスな場面まで、深刻さがなくなってしまいます。

 

役者が熱演しても、脚本、演出がそうだと、ゆる~い話になってしまいます。

 

 

 

『屋上の道化たち』は、謎も解決もすごいのに、ゆる~い話と

感じてしまったのです。

 

 

 

今日の、あ、もう夕べか、99.9 の事件も、死刑か冤罪かの深刻なお話で、

まして、深山クンのお父さんの事件と投影させているんです。

 

 

コメディ要素、少々下げてもよかったんじゃないでしょうか。

 

塩梅をもう少し、シリアスにしても……

 

 

もちろん、深山クンの過去の場面、岸部さんとの場面はシリアスです。

でも、今回の事件は、その深刻さ、深山クンのお父さんの冤罪との投影。

もっともっとシリアスでもよかったような……

 

 

でないと、ハラハラドキドキ感がなくて……

でないと、無罪を勝ち取った時の感動が薄れてしまって……

 

 

もちろん、前回までは、本来シリアスであるはずのリーガルドラマとコメディの

融合が見事で、コメディリーガルドラマとして楽しませていただきました。

 

でも、今回だけは…… 

 

 

例えば。

最後の法廷場面までに、我々視聴者には気づかれないようにしてキチンと

伏線を張り、気づかれないように事実を出していながら、我々には隠し通し、

ギリギリまで追い詰められて、もう負けだという最後の法廷場面で、ドンと

その事実を出して、ひっくり返す。

 

そう、古畑任三郎の明石家さんまさんの回の最後の法廷場面のように。

 

 

そうすれば、もっともっと結末に感動したはずです。

 

 

 

コメディ要素に気を取られて、本来のドラマが薄れてしまったような気がしてなりま

せん。

 

 

先の、深山クンが逮捕される回、あれは、まだ最終回じゃなし、みんな絶対無罪に

なると思ってますよね。だから安心して、深刻になる必要はなく、コメディとして

描けるし、こちらも楽しめます。

 

でもこの最終回の内容は、もっとシリアス要素で引っ張られてもよかったような……

 

 

 

喜劇屋のボクでも、いつもいつもコメディにするわけじゃありません。

 『蟬しぐれ』『あかね空』『大川わたり』『花の茶碗』『水戸黄門の妻』etcetc

もちろん笑える場面は必ず入れてますが、基本シリアスです。

 

 

あ、もしかして、それは、次回の最後、深山クンのお父さんの冤罪を晴らすお話で、

奥田さんとの対決の回まで取っておかれるのかな。

 

 

となれば……

 

これは、いつもの通り、あくまでもボクの感想です。

気にしないでくださいまし。

なんなら先に謝っておきます。ごめんなさい。

 

 

とはいえ、本当に気楽に楽しましてくださいました。

 

 

パート2、心から楽しみにしています。

 

 

 

 

 

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