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ミステリベスト10 12月8日

読書感想文

 

 

考えたら12月です。

早い、ホンマに早いです。

 

 

さてさて。今年も

「このミステリーがすごい ベスト10」

「週刊文春ミステリーベスト10」

「ミステリが読みたい 2023」

「本格ミステリベスト10」

と出そろいましたね。

 

 

上の3つはミステリー全般が対象です。

 

 

本格物としては今年ボクもここに書いた『大鞠家殺人事件』『名探偵のいけにえ』

『方舟』が全てに上位に。

 

 

「ミステリが読みたい」では『大鞠家』3位、『名探偵』4位、『方舟』6位。

「文春」では何と『方舟』が1位。これは意外でした。で2位が『名探偵』すごい。

「このミス」では『名探偵』が2位、『方舟』が4位、『大鞠家』が8位。

 

 

 

そしてボクの絶対的お気に入り、本格物のベスト10「本格ミステリベスト10」では

『名探偵』が1位、『方舟』が2位。『大鞠家』は昨年度で対象外。

 

 

 

いやぁ、やっぱり今年は上位を読んでいたわけですわ。

 

それに『大鞠家』が賞によっては今年の対象となって、上位に来てるし。

 

やっぱり今年は当り年ですな。

 

 

 

あ、年末年始まだまだ読みますよ。

 

で、これ。

 

 

 

 

 

 

『密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック』

 

『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』に続く第2弾です。

 

『密室黄金時代』の「犯人はなぜ現場を密室にしたのか」問題の見事な解決法、

もっと評価されるべきやと思うけどなぁ。

  

 

 

とにかく日本物は当り年でした。

来年も楽しみですわ。

 

 

 

 

 

文学座さんへ 12月7日

 日記 観劇 読書感想文

 

 

文学座さんへお芝居を観に行ってきました。

 

 

 

 

 

 

今から59年前、文学座で起こった「喜びの琴事件」による分裂劇を描いたというチラ

シのあらすじにつられて行ってきたわけです。

そうです。我が劇団NLT創設のきっかけとなった事件です。

 

 

 

少し説明しないといけませんね。

その年、 三島由紀夫先生の新作『喜びの琴』の上演が決まり、ですが出来上がった

戯曲の内容が現実の事件に似ていて、更に反共 (共産党を攻撃) する内容になってい

ると事務局の人が言い始め、出演の俳優たちが「こんな芝居は出来ない」と言い出し

片や「そんな作品ではない」として上演続行を言う人とで、文学座の中でも二分する

ような問題になった訳です。

 

結局、上演は中止、三島先生は文学座を脱退、更に中村伸郎、賀原夏子、村松英子、

南美江、丹阿弥谷津子、北見治一、青野平義、演出の松浦竹夫、作家の矢代静一ら

が脱退。

で我が劇団NLTが出来るわけですわ。

ちなみにNLTとはネオ・リテラチュア・テアトル。つまりは 新・文学・座という

意味です。命名はかつて〈文学座〉を命名したご本人・岩田豊雄(獅子文六)先生。

 

 

この話にはもっといろんな思惑もあって、面白いと言っては失礼ですが、そりゃいろ

んな思惑が交錯した、当時はけっこう新聞ネタになるほどの事件だったんですわ。

 

 

戦前、新劇と共産党は一心同体。そりゃ日本を共産主義の国にするための政治活動を

秘かに、且つ大胆にやっていました。

 

それに対し、政府は徹底的に取り締まり、拷問や、中には獄死する人もいたくらいで

した。特に〈赤狩りの安倍〉と言われた方が特高部長だった期間はすさまじく、拷問

のやり方もちょっとここでは言えません。

 

その辺は多くの書物が出ています。特に驚愕を持って読んだのは沢村貞子さんの『貝

のうた』、そして堀川惠子さんの『戦禍に生きた演劇人たち』。すさまじいですよ。

 

ボクたちが成人したころ、まだまだお達者だった新劇の大ベテランの方々は、大抵の

人に逮捕歴があったんですよ。治安維持法違反で。

 

 

それに対し文学座さんは、つまりですね、共産党と一心同体だった新劇にも、共産党

とは一切関係なく、純粋にいいお芝居を作りたいという人がいて、それが当時新劇に

於いて最高の俳優と女優と言われた友田恭助と田村秋子でした。その二人のために、

久保田万太郎、岩田豊雄(獅子文六)、岸田國士の三先生が幹事として作ったのが文学

座さんなんですわ。

 

つまり文学座さんは、新劇では珍しい思想や政治色の無い劇団だったわけです。

 

それがいつの間にか他の劇団と同じような感じになっていった。

共産党が秘かに事務局に入り込んで (つまり事務員募集に応募して) いたとか、杉村

春子さんが中国が大好きで、事実日中国交正常化以前からしょっちゅう中国に行って

いて、中国は右派の三島由紀夫排除を共産党に命じていたとか……いろんな噂がね。

 

 

まぁ、とにかくいろんなことが爆発して分裂劇が起こるんですわ。

その辺りのことは 中丸美繪・著『杉村春子 女優として、女として』に詳しいです。

あと北見治一先輩の『回想の文学座』にも。

更には、出て行った側からの真実は、我がNLTに残るもの、賀原先生が書き残し

たものにも。ボク、この事件は興味があって、随分前ですけどいっぱい調べました。

 

 

ちなみに、この上演中止と分裂は1963年の末。本来上演は翌1964年の1月。でも中

止。そしたら5月にはもう浅利慶太氏の演出で日生劇場で上演されています。早。

まるで中止を予測して企画していたような速さです。

ちなみのちなみに、この芝居には女性は一人しか出ません。それが賀原先生ですわ。

で5月の浅利版にも退座した賀原先生が、NLTからは青野平義、奥野匡の二先輩が

出演されています。

しかし1月の芝居が中止になったら、5月にもう日生でやるって。執念ですな。

 

 

 

さてさて。昨日拝見したこの芝居のチラシには

 

  「昭和38年、当時文学座文芸演出部に籍を置いていた三島由紀夫の新作『喜びの

    琴』上演をめぐって劇団総会は紛糾していた…。アトリエで起きたできごとを

    アトリエで体験していただきます」

 

と書かれています。

 

更にはタイトルの『文、分、異聞』。つまり、

 

  文 は文章の文、つまりは戯曲。

  分 は分裂の分、つまりは分裂騒動。

  異聞 はこれまで聞いていたものと違うという意味。つまり新説展開。

 

ね。

これは、僕が今まで調べに調べたことではない、文学座さんにしか分からないすごい

真相が出てくると思うでしょ。その時何が起こったのか!

あるいは、当事者にしか分からない、その時の心の裏がバンバン出てくるのか。

 

つまりこのお芝居は〈歴史ミステリー劇〉あるいは〈人間本質劇〉だと。

 

もうね、早くから切符を抑えて、ワクワクして行きましたよ。

 

 

 

以下ネタバレ有です。お気を付けください。

 

明かりがつくと、(出演者は全員若い人です) その紛糾する総会の風景から始まりま

す。戌井先生、杉村さん、長岡輝子さん、賀原先生、松浦さん、北見さん、北村和夫

さん、そして唯一若手から草野大悟さん。そして事務局(総務部)の男女二人。(すべて

若い俳優さんが演じてます)

 

それともう一人。それを下手後ろで悠然と見ている派手な女性。誰だろう。

 

これは面白いぞ。歴史の謎をどう解決するのか(●^o^●)

 

 

ところが……この場面は10分程で終わります。

 

それは、みな入ったばかりの研究生一年目と二年目の若き俳優たちが、同期生で一人

だけもう売れてこの日も仕事のため一人総会に出られなかった小川真由美さんの為に

総会の風景を演じているシーンでした。つまりは杉村さんだと思ってた人は杉村さん

を演じていた樹木希林さんだったのです。(^O^)

 

その入団したばかりの若き俳優たちがすごい。

 

  戌井先生を演じてのが 岸田森さん

  松浦さんを演じたのが 江守徹さん

  北見さんを演じたのが 寺田農さん

  賀原先生を演じたのが 稲野和子さん

  草野さんを演じたのは 草野さん本人

  事務局二人は 菅野菜保之さんと八木昌子さん

 

といった具合ですわ。間違っていたらごめんなさい。

 

つまり我々が杉村さんだと思ってたのは樹木希林さんで、樹木さんを渡邊真砂珠さん

という若い女優さんが演じているという訳です。

面白いメタ構造ですね。

それと、流石文学座さん。皆さんお若いのにしっかり演じてらっしゃいます。 

 

 

 

ところがそこから……

 

これは〈歴史ミステリー劇〉ではなく、よくある〈青春群像劇〉だったんですよ。

 

 

分裂劇を真正面から描くのではなく、また作者による推理・研究で新しい真相を導き

出すものでもなかったんですわ。

 

劇団紛糾に直面した若者の話で、彼らの、将来の夢と、希望と、不安と、挫折と、強

気と、弱気と、そして恋と……つまり、「喜びの琴事件」に直面した若者の、現状に

対しての、未来に対しての不満や悩みのお話だったんですわ。つまり、「喜びの琴事

件」は、若者の心に内蔵していた現状への不安を表に出す発端に過ぎなかったわけで

す。事実後半「喜びの琴事件」はほぼ関係ないし。

 

  

チラシのあのうたい文句を読めば、歴史ミステリー劇と思うでしょ。

それが、普通の青春群像劇だったとはなぁ。

 

 

もちろんその青春真っ只中にいるのが、今では名優になられている方々という面白さ

はあるし、その人たちの人間臭さも面白いのだけれど。

 

 

 

でも、歴史ミステリー劇として、分かっている事実を並べて、そこから推理して、驚

愕の真相って奴を導き出すっていうお考えはなかったのかなぁ。 

 

あるいは、事実を全て描くという手も。戌井先生と三島先生の、三島邸の2人の最後

の対決なんて、事実だけを描いても、観ている側はゾクゾクするけどなぁ。

  

 

「喜びの琴事件」 に真正面から挑んでほしかったなぁ。

  

 

ボクのような普通の青春群像劇に全く興味のない人間には……

 

 

  

とにかく「喜びの琴事件」の真相が今明かされる! を期待して行かれる方はご用心

ですね。

 

青春群像劇がお好きな方はどうぞ。

 

 

 

 

 

 

さてさて。

久しぶりに文学座さんへ行って、少々感慨深いものがありました。

 

昔の建物の時には、戌井先生との打ち合わせで何度も行きましたし、

今の新しいアトリエになってからも、江守さんと打ち合わせで何度も行きました。

 

思い出が結構……

 

 

 

 

それより、渡辺徹さんです。

驚きました。

文学座のホームページの訃報を改めて見て……マジでまだお若いのに……

 

ボク、一度だけお仕事しました。

 

 

 

 

 

 

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 

そしたら今日、志垣太郎さんが3月に亡くなられていたニュースが……

 

 

 

 

 

 

懐かしい義経ですね。カッコよかったなぁ! 

それと『俺は男だ!』でトランペット吹いてはったのもカッコよかった。ボク、まだ

中学ですわ。

 

ボク、志垣さんとも一度だけお仕事をしました。

もう30年以上前、『逢うて別れて』というお芝居です。

  

今日のニュースで本当に驚きました。

 

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 

千穐楽 11月24日

池田政之の仕事

 

 

ワールドカップ、日本の逆転勝利、おめでとうございます !!!!!!!!!!

このまま、突っ走って欲しいですね。(●^o^●) 

 

 

 

さてさて。

本日、新歌舞伎座さんで福田こうへい座長の公演の千穐楽でした。

 

 

初日以来、拝見しました。

更に更にお芝居進化していました。

 

 

座長、どんどん進化されていましたよ。

 

気持ちがグッと来て、最後の最後の「お町、直吉、行こうか!」で不覚にも泣きそう

になってしまいました。(^O^)

 

 

これからも座長公演、そして時代劇をどんどんやっていってくだされば、と心から思

いました。

 

 

 

さてさて。ゲネプロに撮ったもので、ネタバレになるので出さなかったフォトから、

ちょいとご紹介いたしますね。

 

 

極悪親分の加納さんと座長の火花散るシーンです。

 

 

 

 

 

 

それとこれは今日千穐楽の最後のご挨拶のシーン。下手の袖からパチリしました。

 

 

 

 

 

 

子役のふーとクンと空クンのご挨拶を見守る極悪親分の加納さん。

 

 

それとこれはボクが花道から本舞台のツケで演出しているところ。

美術の竹内先生のお弟子さんが撮ってくださっていました。

 

 

 

 

 

 

こちらも、ゲネの後、ボクがキャストの皆さんにダメ出ししているところです。

 

 

 

 

 

 

こんな感じで演出してます。(^O^)

 

 

 

ボクは福田座長は初めてでした。でもなんかもう10年前からやっていたような、ホン

トに気さくで努力家の座長でした。もうボク、ファンですわ。

 

 

この公演にボクを選んでくださったこと、新歌舞伎座さん、福田座長、関係各位様に

本当に感謝しています。

 

 

本当に、本当に、ありがとうございました。

 

 

また是非選んでくださいまし。(^O^)

 

 

 

 

 

ビバ! ドラフトコント 11月21日

〈ま〉の日常 観劇

 

 

昨日の (あ、もう一昨日か) ドラフトコント。

すごかったですねぇ。

もう、感動半分、ショックが半分ですわ。

 

 

ボク、去年から何度もここで「コントが演劇寄りになった」と書いてきました。

毎年大晦日の〈今年ボクに起こったことのベスト3〉、去年のベスト2がコントの

演劇化でした。

 

コントが演劇に近づいた。

最初に感じたのは去年のキングオブコント。空気階段が優勝した時ね。

10組中8組がナンセンスではなく常識内での作品だった。

 

以来、ドラフトコント、キングオブコントの会、the conte、そして今年のキング

オブコント。どんどんコントの演劇化が進んでいます。

 

しかもそれらは持ち時間も長く、キングオブコントの会の秋山クンのネタなんて20分

もやった。今回のだってチーム田中 (う大さんの台本) は9分だ。

 

更にテレビ局がやってるからセットも立派。

やってる人たちはコント師や漫才で売れてる人だから当然笑いのポテンシャルは高い

高い。

 

これじゃ、演劇人のやるコメデイなんて勝てやしない。あ、勿論これはオムニバスの

ような短いコメデイの場合ですよ。更にはそれがファルス的ならなおさらだ。

つまりコントと、演劇の短編コメディとの住み分けがなくなったてきた以上、我々演

劇人が勝てるわけがないんですわ。

このことは昨年の12月31日にも詳しく書いてます。

 

だから我々演劇人がコメディを上演する場合、本来演劇が持つ特性の上で勝負するし

かない。もう名前出しちゃうけどNLTの『ホテルZOO』のような作品は、現在の演劇

的ポテンシャルに合わせて直しを入れなければ勝てるわけがないんです。

ボク去年から言い続けてます。でも全く耳を貸してもらえませんでした。ボクの不徳

の為せる業です。(◞‸◟)

 

 

 

 

さて、今年のドラフトコントです。

感動してます。

5本とも演劇でした。悔しい。(;´д`)

 

それぞれの感想です。

あ、あくまでもボクの個人的な感想です。なので「なに言ってんだ」と思われた方、

先に謝っておきます。すみません。

 

では。

 

 

 

最初のチームジュニア。

いやぁ、初っ端から面白かった!

特に最後の回収。ボク予想もしなかった。(;´д`)トホホ。

でもそこで思い出しました。ボクね、あれと似た意味合いの喜劇、25年前に企画書に

したことがあるんですわ。目の前で起こっていることで、作家が1本コメディを仕上

げるという話です。

その企画書は関西松竹さんがお持ちです。もう捨てはったかな。(^O^) ちょいと自

慢です。すんません。m(__)m

それと、4人の女性の話を、小宮クン一人が突っ込む形式。これに関しては後で。

 

 

チーム長田。

いやぁ、やられましたね。(^O^)

あれはナンセンスで、演劇ではないと思われる方。あるんですよ演劇にもあの手の

コメディが。

フランスのアカデミー会員でもあった巨匠アンドレ・ルッサンに『劇場の異邦人』と

しう短編コメディが。NLTでも何度か上演しています。

登場人物がその国の言葉をしゃべらない。というよりどこの国の言葉でもなく、それ

っぽいことをしゃべって成立させる家族の愛と禁断の恋のコメディです。

それがある以上、長田さんのコントも演劇ですわ。

 

 

チーム野田。あ、違った、チーム春日。

ボク、一番はまりました。今田さんやトリンドルさん同様、もう爆笑しました。

それに加えてギャグ芸人へのアンチテーゼが強烈で。あそこまでバカバカしいのに

あそこまでメッセージが入ってるなんて。

唸りました!

昨年のドラフトコントでチーム大悟が演じたコント。芸人チームが戦隊もののコント

を作っている風景。リーダーである大悟クンが昭和のナンセンス満載で作っていこう

とするのを、シソンヌの長谷川クンが「今は令和ですよ」「古すぎ」「今日で我々は

みんな死んじゃいますよ」等々、時代の違いを突っ込んでいく。が、結局リーダーの

権力で昭和のコントが出来上がる。それを最後上演すると、現実に大爆笑になってし

まって(^O^)。コントを通じて昭和の笑いに対する大アンチテーゼ。ものすごい問題

作だと思いました。ボク的には優勝でした。(^O^)

そして今年は野田クンのネタが、ギャグ芸人への大メッセージ。ご本人は〈説教〉と

おっしゃってましたけど。(^O^)

 

 

 

 

 

 

今ごろ島田珠代さん、びびってるやろな。(^O^)

感服いたしました!

ボク的にはこれが優勝です。爆笑度でもメッセージ性でも、そしてコントとしての

センス的にも。脱帽です。

 

 

チーム小藪。

最初、作っていく風景で、小藪さんが「新喜劇には一切しません」と宣言。けどあれ

新喜劇やで。(●^o^●) タイムスリップネタかて新喜劇にあるし。(^O^)

更には小藪クン本人の役どころとやり方、完全に新喜劇の小藪クンやで。(^O^)

全員でボケて、小藪クン一人がずっと突っ込む。あれ? さっきもそのタイプがあった

ような……そうなんですわ。ジュニアさんのと構図が同じなんですわ。そして回収に

映像を使うのも。

似てくるんでしょうか。関西出身の吉本の芸人さんは。(^O^)

で、このチーム小藪が優勝。おめでとうございます。

一つだけダメ出しを。病院のベッドの横 (上手側) にちっちゃい椅子を一つ置いては

ったらよかったのに。小藪クン、ずっと立ったマンマでのツッコミはしんどいでし

ょ。立ったり座ったりの方がより強弱が付いたと思いますよ。偉そうにすんません。

 

 

チーム田中。

岩崎う大さんの作品。

普通にふた昔前の小劇場演劇でしたね。(^O^) 日常の中に潜む闇。日常の裏の非日

常。昔よく見たような気が。(^O^)

第二文芸部の山﨑と武と話しました。全員まず言ったのは「あれは小劇場ですよね。

むかし下北で似た芝居を観たような(^O^)」、でした。(●^o^●)

チーム春日 (作者は野田クン) の練習風景の中でチョコプラの松尾クンが「野田さん

のこのネタは、マジカルラブリーのあれは漫才か?問題同様、今度はこれがコントか

?問題が起こるかも」とおっしゃてましたが、その問題はチーム春日ではなく、チー

ム田中のう大作品にこそ言えると思いました。

チームジュニアやチーム小藪は演劇であっても、完全にコメディです。更にコント的

なバカバカしさはキチンと入っています。つまりどんなに演劇寄りであっても、コン

トとしての矜持はキチンと保っています。

でもチーム田中のう大作品は、普通の小劇場にしか見えませんでした。日常の中に潜

む闇。広い意味では喜劇ですよ。コメディではなく喜劇ですね。下北の飲み屋で演者

たちが「人間を描いた喜劇だ」と言い張っていた芝居を思い出しました。

笑わせるポテンシャルの高い人たちが演じているから笑いが起きるけど、あの作品を

小劇場の普通の役者が演じてたら、笑いは起きなくて、普通の、日常に潜む闇を描い

た演劇としかみなされないような気がします。つまり喜劇でもない可能性が。

以下はボクの個人的希望です。

コントがどんなに演劇に近づいても、やはりどこかにコントとしてのナンセンスさは 

(言葉そのものではなく展開に) 残しておいて欲しいと思ってしまいました。そのナン

センスさに、お洒落なセンスを感じたいのです。あそこまでふた昔前のマンマ小劇場

だと……

ボク、何度も何度もコントの演劇化に脅威を感じてると書いてきました。でもこの作

品には脅威を感じませんでした。広い意味では喜劇であったとしても、一見の条件下

ではコメディにみえるかどうか。結婚申し込みネタはホームコメディの定番です。そ

してその後のホラー的展開。日常の裏の非日常。ね、小劇場のお芝居ですわ。だから

脅威に感じる必要がないんですわ。

あ、あくまでボクの意見です。なので「お前はバカか」と思われた方、謝っておきま

す。すみません。m(__)m

ちなみにかもめんたるのキングオブコントの優勝ネタ『路上詩人』、大好きです。

甘ちゃんアーチストの甘い理想と、大現実のおばさんとの攻防ネタ。皮肉、風刺、

「現実逃避すんな」のオチ。爆笑しました。傑作コントだと思います。

コント師に戻って欲しいなぁ。

てか、う大クンのたたずまい、話し方。40年前の若い頃よくいた小劇場の作・演出・

主宰の、斜にかまえた奴らにそっくりなんやもの。(◞‸◟)

 

 

 

 

とにかく今回は5作とも、より演劇的でした。

1本なんて完全に演劇だし。

 

 

今後、演劇のコメデイはますます考えないと。

 

 

明るい話は、今年のキングオブコントをビスケットブラザーズがナンセンスネタで

優勝したことです。(^O^)

どんどんナンセンスに戻ってくれないかなぁ。(◞‸◟)

 

 

 

ドラフトコント。来年も楽しみに待っております!

 

来週はまたまたコント番組『ただ今、コント中』だそうです。

でもサンドウィッチマンをはじめ、ナンセンスのプロが多そうやし、順位を競うわけ

でもなさそうやから、ナンセンスな作品が並びそうですね。よしよし。(^O^)

 

それにしてもコント番組、増えてきたなぁ。

 

コントすごいぞ。

負けるな演劇コメディ!

 

 

 

 

 

 

ミステリー売り出しの矛盾 11月16日

池田政之の仕事 読書感想文

 

   

今年はミステリーの (ボク的にはですが) 当たり年です。

 

 

で、もう直ぐ、今年のミステリーベスト10の時節。

ネットには既に予想が出てました。

 

 

1位予想は先日ここにあげた『名探偵のいけにえ』

成程、やはり。(^O^)

 

で2位予想がこれ。

夕木春央さんの『方舟』

 

 

 

 

 

 

で、さっそく読みました。

 

うぅん。よく出来たロジック。成程。

 

ただ、ボク的にはものすごい問題が。

 

以下、ネタバレです。気をつけてくださいまし。まぁネタバレといっても、あらすじ

などを良く調べると、既に分かることですけどね。なのであまりネタバレにならない

言ってみればストーリーですけど、まぁ一応ね。なのでうっかり読んじゃっても大丈

夫ですけどね。まぁ一応ね。(^O^) m(__)m(●^o^●)

 

 

 

 

 

※ ここからネタバレ。

 

山奥の地下施設に閉じ込められた面々。

地震で地上に出る扉が大岩によってふさがれてしまい、それを取り除くには、より地

下にある機械を捜査して岩を動かすしかない。ただ、それをすると操作をした人は地

下に閉じ込められ出られなくなる。

しかも地震で地下水が侵入してきて、計算するとあと1週間で全てが水に浸かってし

まう。

誰が犠牲となって地下に残り、岩を動かすのか?

そんな時、殺人事件が起こる。

なら犯人を捕まえてそいつに残ってもらうことにしよう。

そのタイムリミットは水に浸かるまでの1週間。さぁ、犯人捜しだ!

でも第2、第3の殺人が起こって…… 

 

いやいやいや、1週間あるなら、誰かが残って皆を助け、脱出した人たちが警察へ駆

け込み、救助隊と削岩機を持って戻れば、何とかなるでしょう。

 

でも主役たちは、残って犯人探しをすることを選択する。なんで? 

 

そのロジックが弱いとしか思えなくて……

 

ボクなら、例えボクが残っても、1週間の間に救援隊を呼ぶ方に賭けるけどなぁ。

 

でもそうすると、この話、存在せぇへんことになってしまうしなぁ。(;´д`)

 

 

 

 

 

※ ここから大丈夫です。

  

でも、犯人特定のロジックといい、最後のドンデンといい、面白かったことは事実で

す。

 

 

特に、最後のドンデン。

すごいのですが……

 

 

本の帯や、ネットの宣伝文句に、最後の最後に驚愕のラストがぁ! って感じで、けっ

こう煽られていて、そのつもりで読むと、何となく分かってくる気が……(^O^)

 

恐らく皆さんも、そこまで煽られたら、多分うすうす気づくと思いますよ。(^O^)

 

 

難しいところですなぁ。

 

 

出せばチョー売れるスター作家ならともかく、地味なミステリーがそうそうはねぇ。

でも、作品が面白いなら、やっぱり多くの人に読んでもらいたい。商売的にも、作品

的にも。

となれば、(嘘でない限り) 多少は煽った宣伝も必要だし、でも、その煽りが仇となり

こちらはその気で読んでしまうし。で、気づいてしまったり……

 

ミステリーについてまわる矛盾ですわ。

 

 

 

それと……

ボクも物書きなので、何となく分かるのですが、恐らく、作者は最後の1点を思いつ

いたところから、このミステリーをお書きになったんでしょうね。

 

1点勝負のものとして読んでも中々の佳作です!

 

 

 

確かに、今年は当り年ですわ。(●^o^●)

 

 

 

 

 

あ、肝心のボクの宣伝を

 

上の写真の『方舟』の隣は、発売になったテアトロ12月号です。

  

今月号の特集「青春の光と影」

 

ご依頼を受けて寄稿しております。

 

 

 

 

 

 

 

皆さま、是非ご笑読くださいまし。

 

 

 

 

 

 

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