浪漫劇と歌舞伎 9月25日

〈ま〉の日常

 

 

仕事中毎日丑三つ時に休憩を取ります。

 

 

何なんだろ、この頃のこの訳の分からない政治報道は、と、考えてしまいました。

 

今日は、あ、もう昨日か、日曜日で一週間のことを洗ってましたが、

民進党の前原さんが怖い顔で言ってました。「解散なんてとんでもない。いったい何

のための解散なのか」と。解散がチョーお気に召さないらしい。

松野頼久氏が言ってました。「こんなセコい解散許せない」。解散がチョーお気に召

さないらしい。

 

実はボクもお気に召しません。

ミサイル飛んでんでしょ。国会開かなきゃ。

 

野党は言う。「国会を開いて、森友・加計問題を追求する」と。

そんなことしてる場合ですか。ミサイル飛んでんねんで。

民進党は言う。「説明責任を果たしてない!」

じゃ山尾志桜里はどうなん? まぁ、あんなん別にどうでもええけど。

 

前原さん。松野さん。民進党は、蓮舫がふた月前も、ひと月前の内閣改造の後も言っ

てましたよね。「解散に追い込む!」と。内閣改造じゃなく解散に追い込むと。

 

追い込んだんですよ。よかったじゃありませんか。だったら堂々と「解散に追い込ん

だぞ! さぁ選挙だ!」「皆さん、民進党は言った通り解散に追い込みましたぜ!」て

言わなきゃ。それが「解散なんてとんでもない!」?

 

ボクの頭では、わけわかりません。

 

共産党の小池晃氏も自由党の小沢一郎氏も全く一緒。

 

これ、山尾志桜里問題が無く、解散になっていたら野党はウハウハだったんでしょ。

山尾問題一つでその民進党が掌返して、非難する。だったら民進党が非難されるべき

やと思うのですが。

 

自業自得で、自分が損になるとなった途端、自分が叫び続けたことを無かったことに

して、掌返して非難する……政治家になる人って鉄面皮でなきゃダメなのですかね。

 

それにしても、不祥事自民党二年生組、武藤、宮崎、中川、豊田、今井 & 四年生の

稲田さん。これだけのメンバーを山尾志桜里一人でひっくり返しましたね。すごいで

すね。(笑)

 

 

このホームページは政治のことは書かないと言ってるのに、

あんまり呆れたものだから……

 

 

 

 

 

気を取り直して。

 

 

 

昔、まだ20代の頃、NLTの書庫でブールヴァールコメディの台本群を、

資料係の許しを得て、一週間通い続けて朝から晩まで片っ端から読みました。

 

その中には、三島由紀夫さんが私的に訳させたり取り寄せたりした、

彼がいうところの西欧浪漫劇の台本も多くありました。

ヴィクトル・ユーゴー、ヴィクトリアン・サルドゥ、ミュッセ……

 

暫くして年末の大掃除の時、とある先輩がそれらをチリ紙交換に出そうと

していたのです。

気が付いた時には、交換の車が来ていて……とにかく何とか救い出し、

今その台本はボクの手元にあります。

 

 

今のようにネットで調べられる時代ではありません。

以来浪漫劇のことを調べに国会図書館や神保町へ通い、捜し、調べ……

 

ユーゴーがどんなタイプの観客にも支持される劇作術を編み出し

その実践として書いたのが名作戯曲の『エルナニ』です。

 

そのタイプが、泣きの芝居と笑いの芝居に分かれていきます。

第二期メロドラマとブールヴァールコメディです。

つまりはこれらの芝居は同じ作劇法で出来ています。

それらがフランスからアメリカに渡り、1940年代までの喜劇映画と

メロドラマ映画はこの作劇法で出来ています。

1950年代終わり、アメリカがいわゆるシチュエーションコメディの手法を

編み出して、それから変わっていきますが……

 

 

ところが、調べれば調べるほど、この作劇法で書かれた戯曲、

どこかで見たことがあるなぁと気づきました。

しかもユーゴーよりも古い時代に書かれたおびただしい数の傑作戯曲群。

 

 

歌舞伎です。

 

 

このくだりのことは今は省きます。

いずれキチンと論じますので。

 

 

 

閑話休題。

 

 

 

昔、映画ができ、時代劇をやる時に、所作・衣装・立ち回りに対し、どうしていいか

わからないスタッフさんが答えを求めたのは歌舞伎と歌舞伎俳優でした。

 

尾上松之助、阪東妻三郎、嵐寛寿郎、長谷川一夫、片岡千恵蔵、市川右太衛門、

萬屋錦之助、大川橋蔵、市川雷蔵……(順不同)

 

ボクは市川右太衛門先生と大川橋蔵先生が大好きですが。

 

 

 

冒頭でも書いた通り、 執筆中、毎日丑三つ時を過ぎた頃休憩を取ります。今ですが。

 

ホントはミステリを読みたいのだけれど、朝まで読んじゃって仕事にならないので

今は借りてきたDVDを一本見ることにしています。

 

ジャンルは問いません。見たいものを見るといったところです。

何度も見てるのに又「相棒」を借りてきてしまったり……

ようやく宮崎監督の『風立ちぬ』を「こりゃ、文芸作の衣を着たメロドラマやな」と

思って見たり……というよりこの映画では、禁煙団体の批判の方が引っ掛かり呆れ果

てましたが。まるで戦中の検閲、弾圧、江戸時代の手鎖と同じ。もう完全に魔女狩り

ですな。50年後100年後、魔女狩りさんたちは何て言われるのだろう。あ、今関係な

いですな。これはまた後日。

 

 

 

 

で、今日見たのは『恋山彦』。大川橋蔵先生の映画です。

 

 

むかし新橋演舞場で田村正和さん主演で舞台になったのを見ました。

斉藤雅文さんの脚本、田中林輔先生の演出でした。

衣装も何もそれは美しい、一大伝奇時代劇でした。

 

 

その映画版1959年東映さんです。

 

 

 

すごい。橋蔵先生凄い。

 

見よ、この美しさ!

 

 

 

 

 

 

左が新派の名優柳永二郎さん。右後ろが田崎潤さん。

平小源太が帝の勅諚を胸に江戸城へ乗り込み、柳澤も老中も諸大名大身旗本も

蹴散らして、将軍綱吉に対し「無礼者!」と一喝するシーン。すごいです。

 

で、当然幕府によって亡き者にされそうになって。

 

見よ、江戸城内での、長袴での立ち回りのすごさを!

 

 

 

 

 

 

 

NLTの若者よ。

是非見て勉強しなさい。

 

 

さーちゃん、貴方の御父上はこんなにも美しくすごい方なんですね、って、

十分知ってるはずやのに、改めて思いました。

 

 

現実に戻って仕事しよ。

 

 

選挙になっても、行く気せぇへんしなぁ。

 

 

 

 

 

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