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順調 2月28日

池田政之の仕事

 

 

 

3月10日からのNLTコメディ新人戯曲賞受賞作公演の稽古が、

順調に進んでいます。

そりゃもう順調に。

 

 

 

 

 

 

 

みんな、いい味をノビノビと出しています。

 

 

結構ドタバタもあって、ファルス的な作品だと思って演出を始めたのですが、

やっていくと、こりゃよく出来た人間喜劇なのでは?と思ってきました。

 

やって初めて気づくこと……あるんですなぁ。

 

 

いいコメディになって参りましたぞ。

 

 

乞うご期待!

 

 

 

買っちった 2月21日

〈ま〉の日常 池田政之の仕事

 

 

 

物書きという仕事柄、資料購入・見学・取材は仕事の一環です。

 

制作側から資料を頂いたり、見学取材を提示されることもたまにはありますが、

普通は自身で、勿論自腹で行います。

 

やらなきゃやらないでいいのかもしれませんが、ボクの場合は、

関連項目は納得するまで調べます。

それが物書きの良心だと信じているからです。

 

 

で、一番困るのが資料書籍がどんどん増えていく事。

もう本の山の中で暮らしているようなものでごんす。

自宅の床、そのうち抜けるで。

 

なので、最近はまず図書館で資料を集めます。

ざっと目を通し、手元に置いておかなくてもいいものと、

やはり購入しなければならないものに分ける為です。

 

手元に置いておくもの?

つまりは執筆中、参考確認の頻度が多いもの。

赤線を引いたり、書き込んだりしなければならないもの。

中にはバラバラにしてしまうもの。

 

ね。図書館で借りた本にこれは出来ませんものね。

 

 

で、又買っちまった。

 

 

 

 

 

 

 

今はネットのお蔭で、簡単に探し出すことが出来、

簡単に購入できるので、便利になりました。

昔なら一日中神保町の古本屋回りをしていたのに。

 

 

20代の頃、大下宇陀児先生のミステリや三島由紀夫先生の戯曲は、

皆神保町で集めました。

 

 

ただ、この今週買った本の中には現在貴重で16.000円もするものもあり、

これだけで計30.000円近く。

 

 

ああ、軽費とはいえ……

 

無駄にせぬよう、いい本書くぞ!

 

 

 

それでもまだ後、買っておかなければ安心できない本が6冊。

 

久しぶり、稽古の前に神保町行ってみようかな。

 

あの雰囲気、大好きやし。

 

 

 

 

こまったなぁ。 2月18日

〈ま〉の日常

 

 

 

相棒を2本続けて観た。

 

夕べの作品より、先週の『警察嫌い』がなかなかで……

まるで二昔前の短編ミステリーというか、

今ならジェフリー・ディーヴァーがひねりを聞かせて書いたようなというか。

 

3人も容疑者が出て、なのに目撃者は警察には協力しないと言って……

 

特にフーダニットの解決方法が何となく懐かしい感じで、秀逸でございました。

 

面白いアイデアだなぁ。

 

 

 

 

 

 

脚本は誰? と思ったら興水氏だった。

やはりというか、流石でございます。

 

ゲスト主役がなぜ警察嫌いになったのかも説明なし。

真犯人のキチンとした動機解明もナシ。

なぜあんなビデオを撮っていたのかも。

 

そんなことすら許される出来で、小粋な掌編ミステリのような趣でございました。

いいなぁ。

 

 

更に、最後の、右京さんが冠城クンに話しておくこととは、何なのでしょうか?

 

今シリーズの最終回への布石でしょうか?

 

てことは、最終回も興水氏でしょうか。だとしたら超楽しみでごんす。

 

 

 

こういういい脚本を見ると、ものすごく刺激を受けます。

 

 

だかどうかは分かりませんが、新しいタイプの舞台コメディ戯曲の

新しいアイデアが2つも浮かんでしまいやした!

 

どこからか注文を受けた訳でもないのにでやんす。

 

ボク的には過去書いたことがないタイプのコメディ。

といっても勿論オーソドックスなストレートのコメディです。

 

小説には出来ても映像には出来ないミステリー、という分野があります。

文章だから騙せても、映像だと即バレるというトリックでやんす。

てことは舞台では尚のこと無理。

 

更には、映像だから表現できる時系列というのもあります。

舞台だと、小劇場の、空間も時間も超えた演劇シーンなら出来ても、

オーソドックスな劇場芝居では、まず不可能な表現法。

 

それらが、俳優座劇場や博品館劇場で出来れば面白いと思いませんか。

 

 

思いついてしまった。

 

こまったなぁ。

 

書きたい。書きたい。書きたくてたまらないのでごんす。

 

でも、まずは締め切り。仕事が第一。

 

こまったなぁ。

 

この焦燥感。分かります?

 

 

落ち着いて深呼吸。

 

ボクはプロです。職業作家です。

 

締め切り第一。

 

 

 

早く済ませて、時間作って書こうっと。

 

そしていつかきっとどこかで上演しようっと。

 

 

 

 

稽古と酒と 2月14日

池田政之の仕事

 

  

 

暖かいですなぁ。

 

東京はこの2日間、初夏の様でした。

 

それでかどうか、稽古場近くの空き地にある桜が満開になっていました。

 

これです。

 

 

 

 

 

 

さて、というわけで、何がや、とにかく、ボクは

毎日、NLTコメディ新人戯曲賞公演の

大塚祥平クン作『お皿の前で、ごゆるりと』の

稽古稽古に励んでおります。

 

もちろん稽古の後は酒に励んでおりやす。なんのこっちゃ。

 

 

こちらはその稽古場の舞台装置セットでごんす。

 

 

 

 

 

 

左奥に松岡が、右前に由川が写ってるやん。共に出演者でごんす。

 

 

普通、商業演劇と呼ばれる大舞台は、稽古場に、セットは組みません。

無対象で稽古をし、セット等は劇場へ入ってからお目にかかるものなのですが、

NLTは劇団なので、スタッフが本物と同じ大きさ、機能を備えた仮セットを

稽古場に立ててくれるのです。

 

恵まれてます。

 

 

ちなみに、今回は2本立て。

 

もう一本のふじもり夏香さん作『アパイピシピテペルプ』は民家のリビング。

こちらはペンションのレストラン。

それを同じセットでやってしまおうということになりました。

 

勿論、基本セットは同じでも、民家とレストラン、全く違うビジュアルにして

お目にかけようという訳です。

 

 

どんな風になりますか。

 

3月10日からです。

是非ご覧くださいまし。

 

さぁ、稽古の後の酒に行ってきまぁす。結局酒かい。

 

 

 

 

逆算作劇ミステリー 2月7日

読書感想文

 

 

 

 

 

 

 

 

朝です。

 

深夜3時すぎから、仕事の合間に1章だけと思ったら、読了、そして朝。

 

締め切りが……

 

 

 

 

さてさて、平成生まれ、鮎川哲也賞作家、青崎有吾クンの

『体育館の殺人』『水族館の殺人』に続く裏染天馬クンシリーズ第3作

『図書館の殺人』です。

 

1月29日に書いたように、おあずけくろてたもんで、我慢できなくて。

 

 

今回も前2作に続き、殺人は1つだけ。

 

それを大ロジック一本で、長編を優に満たしてくれる

才能あふれた作品です。

 

ロジックの素晴らしさ、加えて前作でも書きましたがセリフが面白い。

この人、脚本家になっても絶対成功する。それも喜劇が書ける。

とくに、ツッコミセリフの素早さ、的確さは、

その辺のエセコメディ作家よりはるかに上。すごい。

 

 

さてさて。

 

ううーん………

 

慣れちゃったのかなぁ。

 

いやいや、作家としてのうまさは向上なさっている。

 

じゃなぜううーんなんだろう。

 

 

1つには、ネタが地味。

1作目の密室や2作目のとんでもない殺人現場ではなく、

図書館で起きる普通の殺人。

 

勿論、序盤に「え?」と思う謎は出るけれど、直ぐに分かるし。

 

 

つまり今回は単純に、〈なぜ被害者は殺されなければならなかったのか?〉と

〈誰が犯人か?〉を追求した作品なんですわ。

 

勿論テンポある面白い会話、生き生きと描かれる高校生活、お馴染み裏染クンの

キャラ等、楽しみ所は満載ですが、本分であるミステリーの部分は、

ひたすらホワイダニットとフーダニットのみ。

そのシンプルさに、3作目でチャレンジしたということでしょうか。

 

そう、シンプルで端正。

 

やるなぁ。

 

 

昔々、日舞のお稽古で、ボクは、例えば『道成寺』や『新曲浦島』や『景清』の

ような大曲も、一ト月くらいで上がってました。

それが、名取になることが決まった時、先生が「そういえば『松の緑』やってなかっ

たっけ?」「やってません」「じゃやろう」となって……

 

『松の緑』は稽古を始めたばかり子供が習うもので、短く単純なものです。

2、3日で終わると思ってました。

 

それが……3ヵ月かかりました。

 

「そんな踊りで名取ですって言えるの!」

 

単純だから、ごまかせない。

装飾がないから、真実の姿しか見せる事が出来ない。

 

やはり、少し腕がついてくると狙ってしまうのですよ。

やはり、ドヘタな頃にやる踊りは、その頃にやっておくべきなのです。

 

 

 

青崎クンは3作目になってそれを出してきた。

 

すごいことです。

 

そしてそれは成功しています。

 

ただ、もっと派手なものを想像していたものだから、ちょいと拍子抜け。

 

でも、たった1つの事件だけで、それも密室等の不可能犯罪のような装飾なしで、

ロジック長編一本成立させるやなんて。

 

やっぱりすごい才能ですな。

 

 

 

ところが同時にものすごい事も浮き彫りになりました。

 

読み終えて、作りがシンプルでかつ端正であるだけに、どのようにこのお話を

構築していったのかが、はっきりと見て取れるのです。

 

ボクの推論ですが、ミステリーは逆算でストーリーを考えるものです。

 

最後に犯人判明があって、そこから逆算していくと、成程、こうやってこうやって

こう物語を構築して、それから頭から執筆なさったんだな、という構成形態が、

今作はホントに手に取るように分かるのですよ。

 

装飾がない分、(裏染クンを取り巻く高校生の賑やかで楽しい描写はありますが)

余計に、いつも言っている、一本の線が明白で美しく、逆算的作劇法が分かりやすく

なったのでしょうね。

 

おまけに、あまりに端正なものだから、ボク3分の2あたりで、

犯人分かってもた。

 

 

皆さん、勿論ボクも、読むのは頭からです。

ですから今書いたことはあまり関係ありません。

安心して青崎ワールドにハマって下さい。

 

で、読み終えた後、考えてみて下さい。

作者はどうやってこの話を構築したのか。

 

 

お手本の様だと思いますぞ。

 

 

お勧めです。

 

 

そうそう、青崎クン、3作目が出たところで申し訳ないんやけど、

早よ4作目出してぇな。

絶対楽しみに読むから。

 

 

 

朝がすっかり……

 

 

締め切りが……

 

 

そうそう、ちなみに『松の緑』ですが、大嫌いです。

振りも曲も記憶から消去しました。念のため。何の念のためや。

 

 

 

 

 

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