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感慨深い日 11月28日

〈ま〉の日常

 

  

 

何気に誕生日でした。

 

 

ボクは中学のころから何故か誕生日があまり好きじゃなくて、

ボク自身も、ボクがそうだから両親もずっとスルーしています。

誕生日会もしませんし、普段のマンマ。おめでとうすら言いません。

 

ボクがそう言ってるのに、多分テレだろうと思って、

ハマキヨが一度サプライズで「誕生日おめでとうございまぁす」を

やっちゃって、叱られたことがあって、以来彼らも何もやりません。

 

楽です。

 

 

勿論これはボクだけのことであって、皆様には関係ありません。

なのでボク以外なら、周りが「あの人のお祝いをしようよ」と計画して

誕生会を開くのはOKです。ボクも喜んで参加します。

でも、自分自身で誕生パーティを開催する人は理解できません。

バブルの頃、けっこうそういう人いましたよね。

 

 

今では、毎年恒例の静岡の服部早苗さんの「おめでとメール」と

西村英子おかあさんの「おめでとメール」だけはありがたく頂戴しますが、

それ以外は全くありません。

 

正直、昼過ぎに起きて、そのメールを見るまで、ボク自身も

忘れているのが恒例で、メールを見て「あ、そうだった」と

思うのがもう慣例です。

 

服部さん、西村さん、今年もありがとうございます。

来年も気づかせてくださいまし。(笑)

 

 

というわけで、皆さんも、今日のブログは気にしないでくださいまし。

これ、マジです。

 

 

 

でも、ボクと同じ誕生日の方、おめでとうございます。

 

お仕事をさせて頂いた方では、里見浩太朗さん、松平健さん、新藤栄作君

おめでとうございます。

 

ちなみに新藤君とは、生年月日が全く同じです。

こうなると違うのは生まれた時間。

ボクは朝の7時。彼は昼前だそうで、つまりボクの方が3・4時間早い事になり、

以来彼はボクのことをアニキと呼びます。かわらへんやろ。

 

他にも同じ日の人がいて、広岡瞬さんがそうです。懐かしい名前やな。

 

あと一人不思議な方が。小室哲哉さん。

彼は昔、雑誌等のプロフィールに11月28日と記されていました。

それを見た若き日のボクは「へぇ、同じなんや。小室さん、新藤さん、広岡さん……

同じ日に生まれても(ボクとは) 偉い違いやな……」と、ため息をついていました。

 

それが、例の小室さんが逮捕された時出たのが11月27日。

ん?

以来現在のプロフィールでは11月27日。

 

この1日のサバ読みはどういう意味やねん!

会うたことないので、わかりません。

 

 

ま、ボクも昔、劇場さんの政策で、一つ若くサバ読まされていましたが。

30になったのに、まだ29と。

でもこれ、ボク自身がホントのことを喋りまくっていたので、

みんな知ってて、ぜんぜん意味を成しませんでしたが。

 

 

 

1年はあっという間です。

ウカウカはしていられません。

 

さぁ、気を取り直して(誕生日に書く言葉か)、

今年も頑張るぞ。

今年はもうすぐ終わりや。

つまり来年の誕生日まで又一年もという意味です。

 

そう思うと、やっぱり感慨深い日ですね。

 

 

何も載せる写真がなかったので、最近新幹線でよく食べてる駅弁を1つ。

 

 

 

 

 

 

新大阪で買います。関西らしい一品でごんす。

 

 

 

 

 

 

中身はこう。 

たこ焼き、焼きそば、串カツも入ってます。

これを食いながら新幹線に乗っている訳でごんす。

 

明日あたりもまた乗るから、今度は違うのにしてみよか、と思う誕生日でした。

なんやそれ。

 

 

そうそう。西尾維新さんの『掟上今日子の忘備録』。

西尾さんは、本格もののライトなミステリが得意な方ですが、

たまに読んでました。

なので、ドラマも見られる時には見てたのですが、今日の回に

森岡豊クンが出てました。

しかしシチューのCМといい月桂冠つきのCМといい、

このあいだの『下町ロケット』の第一話といい、『釣りバカ日誌』といい、

『世にも奇妙な物語』のががばばといい、頑張ってるなぁ。

 

ボクも頑張らんと。

お、これの方が、誕生日のコメントらしいな。

 

 

 

  

フレンチミステリー三題 11月24日

読書感想文

 

 

 

フランスのミステリーにはいわゆる本格物が少ないと言われています。

 

事実ですな。

 

今から100年以上も前に、モーリス・ルブランの「ルパンシリーズ」、

ガストン・ルルーの『黄色い部屋の謎』を生んだ国なのに、不思議です。

 

それ以来では、著名なのは一時代後のメグレ警部のシムノンくらい。

 

 

フレンチミステリといえば、サスペンス、ロマンス、犯罪小説が主、

とにかくサスペンスがメインで、特に第二次世界大戦後は本格物の

火は消えたとまで言われたそうです。

 

 

1980年代後半になってようやくポール・アルテが出た。

このブロクにも書きましたよね、ポール・アルテ。

『第四の扉』はすごいよ。

彼は1988年に『赤い霧』でフランス冒険小説大賞を受賞します。

 

 

冒険小説大賞となっていますが、犯罪小説大賞とも訳されて、

広い意味でのミステリ全般に与えられる賞で、

1930年から既に85年の歴史があり、後発のフランス推理小説大賞よりも

権威があると言われています。

 

1989年には日本の夏樹静子さんが『第三の女』で受賞されています。快挙!

 

 

ちなみに1930年の第1回受賞はピエール・ヴェリー『絶版殺人事件』で

本格物です。

 

1931年第2回もステーマンの『六死人』で本格物。

 

1938年にはボアロー『三つの消失』本格物。

 

1948年にはナルスジャック『死者は旅行中』本格物。

 

そんなもんでしょうか。

 

 

今はどれも手に入りにくいものばかり。

 

ピエール・ヴェリーの『絶版殺人事件』はもう無理です。

 

 

何とか手に入る残りの三冊を図書館で借りてきました。

 

ステーマン、ボアロー、ナルスジャック。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下の『大密室』にボアローの『三つの消失』とナルスジャックの『死者は旅行中』

の2作が入ってます。お得。

 

3作とも文庫で200ページくらい。ポール・アルテも。

フランスの本格物って読むのにお手頃ですよ。

 

 

 

『六死人』。

6人の若者が未来と成功を求め其々世界へ飛び出します。5年後、成功しても、

失敗しても、帰国して集まり、得たお金を山分けしようと約束します。

期限になって戻ってくる5人。しかし待ち受けていたのは不可能な状況での

連続殺人だった。

 

なかなかですよ。84年前に書かれたとは思えません。

ただ、やっぱりフランスなんですわ。戯曲と同じ。

フランス人のセリフって、妙にお洒落なんですわ。

フランス戯曲のセリフ。たとえば彼女が好きなら「好き」と言うでしょ。

それを「あの日ニースの浜辺でそよいだ風の香りに似てないかい?」

てなことを言う訳ですわ。

『六死人』でも「今日は、九月の最初の日曜日ですね」なんて言っちゃう訳です。

ベル・ポケット時代の良きフランスの本格ミステリです。

 

 

『三つの消失』

伯爵の城館に飾られたダ・ヴィンチの名画をめぐる、衆人観衆の中の消失事件が

3つ立て続けに描かれます。

3作の中ではもっともトリッキーです。

これには恋は出ません。ホントに無駄のないミステリです。

 

 

 『死者は旅行中』

新聞記者のジルは、アレクサンドリアで出会った女と恋に落ち、

突発的なトラブルから彼女の父が所有する船に乗ります。同じく急を要した

ビップたちも乗り込み、嵐に揺れる船の中から、1人また1人と殺され消え

ていきます。

これが一番楽しかったかな。うん。読み物としても中々でした。

 

 

 

今、フランスは大変です。

 

フランス喜劇をやっているNLTやボクとしては、少しでもフランスの演劇、

小説をより広めることくらいしか出来ません。

 

 

たまにはと思って読んだフレンチミステリ本格物三題。

 

なかなかでした。

 

よろしければ是非。

 

と言っても図書館にしかないしなぁ。

 

 

あ、ポール・アルテはハヤカワポケットミステリーから

いっぱい出てます。

 

ポール・アルテはすごいですよ。

まずは『第四の扉』から。

 

 

 

そうだ! マルセル・F・ラントームがいた!

第二次大戦中の収容所で書かれた幻のミステリー『騙し絵』が!

 

 

 

 

 

 

 

この作者、収容所で3作を書き、戦後出版されるが、

フランスは本格物が下火で、さして売れず落胆して、それ以外にも書いてた

原稿をみんな燃やして、姿を消した、という、本人も幻の作家です。

 

日本で出版された2009年、日本の本格ファンは熱狂して迎えました。

創元推理文庫から今でも出ている筈です。

 

ボクもその時読んでたのに、忘れてたやなんて。年やな。

 

後の2冊も早く出してくださいまし。

 

それとノエル・ヴァンドリーも。

 

 

 

 

 

旦那様はすごく順調 11月23日

〈ま〉の日常 池田政之の仕事

 

 

 

大変なものを見つけてしまいました。

 

いい訳をする訳じゃありませんが、いい訳か。

西へ東へ走り回っていて、郵便物が資料の下に埋もれていて

一昨日、漸く見つけてびっくりしました。

  

西脇市が旧西脇市と黒田庄町が合併して10周年記念式典への

市長からの招待状です。

 

式典は10月1日。

 

とっくに終わってるやん。

 

しかも出席か欠席かの返信用のはがきまで入ってます。

 

ボク何もしてません。

 

無しのつぶてで欠席してしまいました。

 

 

市長、市の関係者各位様、申し訳ございませんでした。

 

 

ただ、ただね、出欠票が入ってて、日時までに返信がないんやから、

連絡の1本くらい下さいよ。

「こういう案内を送ったんですけど、どうなりました?」とか、

「ちゃんと届いてますか?」とか。

普通確認するでしょ。返信がないんやから。

 

いえいえ、届いていたのに、資料の下にうづもれて、

全く気づかなかった僕のせいです。

 

お詫びいたします。

 

 

 

 

さてさて、今NLTの『旦那様は狩りにお出かけ』の稽古が

熱く熱く行われています。

 

ジョルジュ・フェドーの傑作喜劇でボクの脚色です。

 

 

2度稽古見学に行ってきました。

稽古終了後の飲み会が目当てですが。

 

 

 

 

 

 

 

左から永吉京子さんと合田雅吏クンと演出の大江祥彦クンです。

 

 

本当に順調に、爆笑喜劇に仕上がってます。

ブールヴァールコメディの決定版が120年の時を超えて甦ります。

 

 

来月2日から俳優座劇場です。

 

皆様、是非是非!

 

 

 

 

今年も。 11月14日

〈ま〉の日常

 

 

 

今年も浜木綿子さんのお誕生日会が去る10月末に東京某所で行われました。

 

 

ちょっと待て。10月末て、えらい前やん。半月前やで。

 

 

すんません。いろいろありまして。早くお知らせせなあかんことが多すぎて、

日々やらなあかんことが多すぎて、今日になってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

浜さんを囲んで、左から荒木将久さん、加藤茶さん、左とん平さん、

大空眞弓さん、庄司花江さん、小野寺丈クンです。

 

 

皆さん、向こう向いて盛り上がっています。

 

 

 

 

 

 

見よ、この大きなゴージャスなケーキ。

 

向こう向きなケーキの上に乗る08の数字は?

 

 

来年、又お仕事させて頂きます。

 

 

楽しい夜でした。

 

 

 

 

 

秋の夜長の頭の体操 11月6日

〈ま〉の日常

 

 

 

何だかんだと忙しくて、『相棒』も『下町ロケット』も録画で

2話分見てませんでした。

 

まとめて一晩で見ました。

 

それにしても『下町ロケット』は面白いですなぁ。

 

なんでしょ、あの、ハラハラドキドキ感は。

絶対最後はうまくいく勧善懲悪現代経済ドラマと分かっているのに、

ハラハラしてしまいます。

 

実は……残念なお知らせが……別に皆さんにとっては残念やないけど。

実は私『下町ロケット』小説読んでんねん。結末知ってんねん。

読まなんだらよかった。そしたらもっともっとドキドキしたやろに。

 

いえいえ、それでも十二分に楽しませて頂いています。

 

そうかて、録画1本観ても、まだ1本あると思うと、

幸せな気分になってしまいやすもの。

 

今後の展開もものすごく楽しみにしています。結末知ってるけど。

 

 

 

 

一方の『相棒』です。

 

こちらも好調ですね。

 

反町クンの冠城クン、いいですなぁ。

 

右京さんとのコンビもいいから、2人だけで十分持ってしまう。

なので伊丹さん達や、部長さん達の出番少ないもんね。(笑)

 

 

第4話で日本暗部の大物を演じられた大ベテランの織本順吉さん。

御年88歳。こうしてお元気なお姿を拝見すると嬉しくなります。

 

 

さて、今日の相棒考はいつもとちょいと違います。

 

少々頭の体操をしてみようかと思うのです。

 

何のことかって?

よく分からへん所があるので、じっくり考えてみようかなと。

 

 

 

第3話。

 

 

 

 

 

 

以下ネタバレありです。未視聴の方ご注意を。

 

いきますよ。

 

IT長者の雨宮 (葛山真吾クン。19年前NHK『長崎奉行』で一緒でした。懐かしいな

ぁ) の別荘で、女性が自殺? 女性は雨宮に捨てられて自殺願望があり、ネットでヘリ

ファルテ名義の中村 (近藤公園さん。この人よく出るなぁ。これで確か3度目の出演

ですよね) とやり取りを通じ励まされていたが、ついに中村の経営する工場でシアン

化ナトリウムで自殺。携帯に遺書を残し、その指示に従って中村が彼女の死体を雨宮

の別荘へ運んだが……

実は雨宮は彼女の恋人ではなく、雨宮は妹が自殺した原因の中村を恨んでいて、彼に

会いに来たとき自殺した例の女に遭遇。携帯の遺書を見て、本当の恋人の名を自分に

書き換えてそこに携帯を残し、アリバイを作る。警察は一旦は雨宮を疑うが、雨宮は

伊丹達に「彼女は誰かにストーカーにされていた」と情報を流し、更に作っていたア

リバイのお蔭で放免。今度は中村が疑われることになる。事実彼は雨宮が書き換えた

携帯の遺書に従い、つまり彼女が恨んでいた本当の彼ではなく、雨宮の別荘へ死体を

運んだ。だが右京さんに疑われた中村は遺体を移動させたことを認め……

 

というのが大まかなあらすじですが、分かりますかこれ?

 

勿論ドラマを見ていればストーリーの流れは十分分かります。

 

でも、ボクには、雨宮の行動原理がよく分からなくて。

終盤の右京さんと雨宮の対決が、何のことか?

 

それでじっくり変えてみることにしました。

秋は夜長やし。

 

 

今度は葛山クンの雨宮を主役としてあらすじを考えてみます。

 

雨宮の妹が自殺する。悲しんだ雨宮は妹のことを調べる。妹は死にたいとネットに書

き込んでいた。そこで励ましてくれたのが中村。だが中村は励ますふりをして、実は

言葉巧みに自殺願望の人間を本当に自殺に導いていた。勿論それは罪には問えない。

妹のパソコンからそれらの事実を知った雨宮は、夜、中村を詰問しようと彼の会社を

訪れ、自殺したばかりの女の死体を見つける。雨宮は、この女もネットでたびたび死

にたいと書き込んでいた女と合点する。雨宮は更に合点する。中村の留守中、女が一

人、中村の会社で保管されている毒薬で自殺。保管庫のカギは開いていた。つまりこ

れも中村がそう仕向けたのだと。だが証拠が何もない。中村あての彼女の遺書が彼女

の携帯に残されていた。そこには裏切って結婚した恋人の名前と別荘の場所、そこへ

自分の死体を届けてほしいと書かれていた。雨宮は遺書を書き換える。本当の恋人の

名を自分に、別荘の場所を自分の別荘に。そして携帯の指紋を拭き消して去り、アリ

バイを作る。

翌朝、雨宮の別荘で女の死体が発見される。雨宮は一旦は疑われるが、アリバイのお

蔭で放免となる。その時に「彼女はストーカーに悩んでいた」と証言する。その証言

と、右京さんと冠城クンの推理捜査で、今度は中村が容疑者となって……

 

こんなところでしょうか。

 

なぜ雨宮はこんな行動をとったのでしょう。

 

謎解きの時点になって右京さんが雨宮に「事件の真相が分かりました。彼女は自殺で

す。中村は死体を運んだだけでした」と言います。雨宮は「警察はそんな言い訳を信

じるんですか!」と叫びます。

つまり雨宮は、中村に、自殺ほう助と死体遺棄の罪ではなく、殺人の罪を着せようと

したわけですよね。

 

更に終盤雨宮は「あんた達(右京さん)さえいなければ……妹はあいつのせいで死んだ

んだ。なのにあいつだけ何の罪にもならないなんておかしいだろう!」と言います。

ニュアンスが少し後退してますよね。中村に殺人の罪をかぶせたいけど、それが無理

ならせめて死体遺棄の罪にでも問わせたいというところでしょうか。

 

 

つまり雨宮が、携帯の遺書を書き換え、自ら事件の渦中に入ったのは、

中村への復讐。中村に殺人の罪(最低でも死体遺棄)を着せる為。

 

これがよく分からないんですよ。ボクの頭ではどうにもこうにも。

で、考えてみようとなったわけです。

 

 

さぁここからですよ。頭使うぞ。

 

 

まずびっくりした問題点。

謎解きの時間になって右京さんが雨宮に「あなたの妹さんも自殺なさっていたんです

ね」と言います。これアンフェアですよね。探偵役が謎解きの時点になって初めて出

た事実ですよね。それ以前に一度も出てませんよね。録画なので確認しました。便利

です。勿論あらゆる可能性を考えて推理するにしても、それじゃ冠城君の妹だって自

殺してるかもしれない。妹いるのか知らんけど。これダメですよね。せめて前半で別

荘に妹の写真があって「あちらは」「妹です。いい奴でした」「?」くらいあれば。

 

でもここは目をつむりましょう。アンフェアであっても意味は分かりますから。 

 

 

 

もっと大きな問題。

問題点その①

雨宮が携帯の指紋を拭いたことです。

この行為で彼の計画はパーになってしまいませんか?

 

指紋を拭くとどんな効果があるのか。

㈠ 出ては困る指紋が消える。

㈡ 付いてなければならない指紋も消える。

 

雨宮は遺書を書き換えるため携帯に指でじかに触りました。その指紋を消しました。

彼の指紋は消えるけど、元々ある筈の彼女の指紋も消えます。そこにある指紋はあと

から触った中村の指紋だけです。「死体のそばに落ちていたのを拾って持っていまし

た」と、右京さんに携帯を渡しています。

 

警察はバカではありません。

死んでいく彼女が指紋を拭きとる必要はありません。なのに彼女の指紋はない。でも

最後に触った中村の指紋はついている。つまり彼女と中村の間に、指紋を拭きとった

第3の人間がいる事実が分かってしまうのです。

 

もし拭き取ったのも中村だとしたら。本当は自分が殺していながら、さも勝手に自殺

したように見せるとしたら。その可能性を考えてみましょうぞ。

中村は、まず彼女を殺し、彼女の携帯に自分に都合のいい遺書を書き込み、指紋をす

べて消す。でも彼女の指紋がすべて消えていたら、消した人間の存在が出る訳ですか

ら、そうなると真っ先に疑われるのは中村です。自分に都合のいい遺書をねつ造した

だろうと。

雨宮はそれを狙った。でも現実にはそうはなっていません。というより、話では指紋

に関しては、何も言及されていません。でもま、それは置いといて……

中村だって雨宮と同じことを考えるはずです。ではそれを避けるにはどうすればいい

のか。簡単です。死んでいる彼女の指を携帯に押し当てていっぱい指紋をつけておけ

ばいいのです。つまり携帯からは彼女の普段の使用指紋と、その上を掴んだ中村の指

紋が出ればいい。

というより中村が遺書を打つ時、手袋してりゃええ話ですやん。誰でも思いつきます

よね。つまり、彼女の指紋はなく、普通につかんだ中村の指紋だけがある場合は、第

3者の介在を示す事になってしまうのです。つまり雨宮の中村容疑者作戦はハナから

成立していないのではないでしょうか。

 

続いて、中村が犯人で遺書ねつ造工作を行ったあと、雨宮がやってきて一連の行動を

とった。よって中村の指紋しかなかった場合。

これはありえません。1つには、では雨宮が来たとき、中村はどこにいたのかという

問題。2つには、もしそうなら、戻ってきた中村が携帯を見て、文章が変わっていた

ら、第3者の存在を知り、全く違う行動をとったはずです。 

 

いえ、1つ成立する可能性がありました。

中村がバカで手袋をせず遺書を打っちまって、しまったと気づいて指紋を消した。こ

れなら中村が犯人で、彼の掴んだ指紋だけが出たと説明できます。でもこの場合も、

しまったと気づいたのならその時点で彼女の指紋を付ければいいわけですし、彼女を

別荘に置いて戻ってから気づいたのなら、うっかりバケツの中に落としたので、一度

綺麗に拭きましたとでも言えば、警察は証明できないのですからどうにでもなるはず

ですよね。

 

それよりも中村が、第3者介在を臭わすためにワザとやったとしたらどうなるでしょ

うか。この可能性も考えてみましょう。

遺書を書き換え、指紋を消し、自分の指紋だけを改めてつけていたとしたら。何のた

めに。全ては第3の人間のやったことで、自分は全く関わりないとするため ─ その

の理由以外ありませんよね。でもそんなことをするくらいなら、彼女の指紋もつけ自

分の指紋もつけた方がはるかに安全です。やる意味が全くありません。更に殺人にす

るより自殺にした方がもしもの時完全に得なのですから、そんなことする意味があり

ませんよね。事実自殺ですし。事実死体を運んだことは認めていますし。

 

つまり、話に出てくるすべての事柄 (謎解き場面以前) で指紋問題を見た場合、雨宮

が遺書を書き換え指紋を拭き消した時点で、つまり、携帯の指紋を鑑識が調べた時点

で、中村以外の第3者の存在が誕生し、中村は安全圏になってしまうというロジック

が成立してしまうのです。

うーん、これは大変だ。雨宮が中村を罪に落とすためにやった指紋を消すという行為

で、逆に中村を安全にしていたとは。最初からこの話、破たんですやん。

 

さっきも書いた通り、今回話の中で指紋の件には全く言及していません。何でやろ。

 

 

 

問題点その②

雨宮は女の死体を発見した時点で、中村を殺人罪にまでは持って行こうとは思わず、

ただ死体遺棄の罪にのみにしてやろうとしていたとしたら。

 

この可能性は、彼の「犯人が分かったのですか」と「警察がそんな言い訳信じるんで

すか!」というセリフから、まずありえませんが、とりあえず考えてみます。

 

これが一番問題のような気がします。

そうかて、だったら遺書を書き換える必要が全くなくなるからです。

 

雨宮と中村と本当の恋人は全員面識はありません。本当の恋人と自分との名前を変え

ようが、別荘の場所を変えようが、中村が死体を運ぶか、運ばないで警察を呼ぶか、

それは中村の意志次第です。元々の遺書のままでも、中村はやるならやるはずです。

雨宮の別荘だろうが、本当の恋人の別荘だろうが、面識のない中村には同じ事です。

雨宮が自分の名を出し、危ない橋を渡る必要はどこにもありません。愉快犯ならとも

かく、容疑から常に離れていたいという犯人心理の鉄則を無視した行動になってしま

います。

では、彼女がおびえていたストーカーの情報は誰が警察に? 雨宮が匿名のタレこみを

すれば十分です。

 

 

 

ここまで考えて分かったことは、雨宮がとった行動、まず②の〈携帯の遺書の書き換

え〉は、やってもやらなくても、中村が死体を動かす行動によって生じる事態は同じ

で、全く意味をなさず、それどころか自ら事件の中心に飛び込む危険な行為であり、

①の〈携帯の指紋を拭く〉は、そのせいで中村を安全圏に置いてしまうというとんで

もない結果を生んでしまいます。

 

うーん。困ったぞ。ミステリのロジック的に考えていくと、雨宮の行動って一体?

これは深刻だぞ。

 

 

別の角度から考えてみるか。

この事件の根本の芯は何か。

中村は、雨宮の妹を自殺に導いても殺してはいない。今回の彼女も殺していない。で

も5年前自身の恋人が病気で死の苦しみを見て、彼はチューブを外し、死を選んだ。

善意であっても殺人です。これは伏線が張られてました。フェアプレーです。その時

彼は悟りました。人には死ぬより辛い生があると。だから私は楽になる手助けをする

のだと。

 

これが事件の全容です。

単純で美しい芯です。

 

でもそれにまつわる大きな大きな雨宮のドラマはロジックが成立していず、いつもの

右京さんなら「あなたは間違った方法をやってしまったんですよ」と、これらを看破

していくのに、今回は成立していないロジックに真正面から乗ってしまっている……

 

アンフェアとロジック破たん。

これって!

 

考えていくと、えらいとこへ行ってしもたぞ。

 

成程、せやから右京さんと雨宮の対決の場面、見てて何のことやらよく分からなかっ

たのか……

 

 

あ、いつものようにこれはあくまでもボクの個人的感想です。

間違ってたらごめんなさい。あやまります。

『相棒』大好きですから!

 

 

録画して見たら、あれ?っと思ったところを確認できるから、

こんなことを考えてしまいました。

秋の夜長のバカの戯言とお許しくださいまし。

 

 

 

ものすご頭使こたわ。

頭フラフラ。

ホンマに、頭の体操、いえ、頭の重労働でした。

 

それで間違てたら踏んだり蹴ったりやね。

その時は、ごめんなさい。

 

 

今月まだ1週間もたってないのに、もう3回目の更新。

テンポええがな。だから何。

 

 

 

 

 

 

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