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今年も。 11月14日

〈ま〉の日常

 

 

 

今年も浜木綿子さんのお誕生日会が去る10月末に東京某所で行われました。

 

 

ちょっと待て。10月末て、えらい前やん。半月前やで。

 

 

すんません。いろいろありまして。早くお知らせせなあかんことが多すぎて、

日々やらなあかんことが多すぎて、今日になってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

浜さんを囲んで、左から荒木将久さん、加藤茶さん、左とん平さん、

大空眞弓さん、庄司花江さん、小野寺丈クンです。

 

 

皆さん、向こう向いて盛り上がっています。

 

 

 

 

 

 

見よ、この大きなゴージャスなケーキ。

 

向こう向きなケーキの上に乗る08の数字は?

 

 

来年、又お仕事させて頂きます。

 

 

楽しい夜でした。

 

 

 

 

 

秋の夜長の頭の体操 11月6日

〈ま〉の日常

 

 

 

何だかんだと忙しくて、『相棒』も『下町ロケット』も録画で

2話分見てませんでした。

 

まとめて一晩で見ました。

 

それにしても『下町ロケット』は面白いですなぁ。

 

なんでしょ、あの、ハラハラドキドキ感は。

絶対最後はうまくいく勧善懲悪現代経済ドラマと分かっているのに、

ハラハラしてしまいます。

 

実は……残念なお知らせが……別に皆さんにとっては残念やないけど。

実は私『下町ロケット』小説読んでんねん。結末知ってんねん。

読まなんだらよかった。そしたらもっともっとドキドキしたやろに。

 

いえいえ、それでも十二分に楽しませて頂いています。

 

そうかて、録画1本観ても、まだ1本あると思うと、

幸せな気分になってしまいやすもの。

 

今後の展開もものすごく楽しみにしています。結末知ってるけど。

 

 

 

 

一方の『相棒』です。

 

こちらも好調ですね。

 

反町クンの冠城クン、いいですなぁ。

 

右京さんとのコンビもいいから、2人だけで十分持ってしまう。

なので伊丹さん達や、部長さん達の出番少ないもんね。(笑)

 

 

第4話で日本暗部の大物を演じられた大ベテランの織本順吉さん。

御年88歳。こうしてお元気なお姿を拝見すると嬉しくなります。

 

 

さて、今日の相棒考はいつもとちょいと違います。

 

少々頭の体操をしてみようかと思うのです。

 

何のことかって?

よく分からへん所があるので、じっくり考えてみようかなと。

 

 

 

第3話。

 

 

 

 

 

 

以下ネタバレありです。未視聴の方ご注意を。

 

いきますよ。

 

IT長者の雨宮 (葛山真吾クン。19年前NHK『長崎奉行』で一緒でした。懐かしいな

ぁ) の別荘で、女性が自殺? 女性は雨宮に捨てられて自殺願望があり、ネットでヘリ

ファルテ名義の中村 (近藤公園さん。この人よく出るなぁ。これで確か3度目の出演

ですよね) とやり取りを通じ励まされていたが、ついに中村の経営する工場でシアン

化ナトリウムで自殺。携帯に遺書を残し、その指示に従って中村が彼女の死体を雨宮

の別荘へ運んだが……

実は雨宮は彼女の恋人ではなく、雨宮は妹が自殺した原因の中村を恨んでいて、彼に

会いに来たとき自殺した例の女に遭遇。携帯の遺書を見て、本当の恋人の名を自分に

書き換えてそこに携帯を残し、アリバイを作る。警察は一旦は雨宮を疑うが、雨宮は

伊丹達に「彼女は誰かにストーカーにされていた」と情報を流し、更に作っていたア

リバイのお蔭で放免。今度は中村が疑われることになる。事実彼は雨宮が書き換えた

携帯の遺書に従い、つまり彼女が恨んでいた本当の彼ではなく、雨宮の別荘へ死体を

運んだ。だが右京さんに疑われた中村は遺体を移動させたことを認め……

 

というのが大まかなあらすじですが、分かりますかこれ?

 

勿論ドラマを見ていればストーリーの流れは十分分かります。

 

でも、ボクには、雨宮の行動原理がよく分からなくて。

終盤の右京さんと雨宮の対決が、何のことか?

 

それでじっくり変えてみることにしました。

秋は夜長やし。

 

 

今度は葛山クンの雨宮を主役としてあらすじを考えてみます。

 

雨宮の妹が自殺する。悲しんだ雨宮は妹のことを調べる。妹は死にたいとネットに書

き込んでいた。そこで励ましてくれたのが中村。だが中村は励ますふりをして、実は

言葉巧みに自殺願望の人間を本当に自殺に導いていた。勿論それは罪には問えない。

妹のパソコンからそれらの事実を知った雨宮は、夜、中村を詰問しようと彼の会社を

訪れ、自殺したばかりの女の死体を見つける。雨宮は、この女もネットでたびたび死

にたいと書き込んでいた女と合点する。雨宮は更に合点する。中村の留守中、女が一

人、中村の会社で保管されている毒薬で自殺。保管庫のカギは開いていた。つまりこ

れも中村がそう仕向けたのだと。だが証拠が何もない。中村あての彼女の遺書が彼女

の携帯に残されていた。そこには裏切って結婚した恋人の名前と別荘の場所、そこへ

自分の死体を届けてほしいと書かれていた。雨宮は遺書を書き換える。本当の恋人の

名を自分に、別荘の場所を自分の別荘に。そして携帯の指紋を拭き消して去り、アリ

バイを作る。

翌朝、雨宮の別荘で女の死体が発見される。雨宮は一旦は疑われるが、アリバイのお

蔭で放免となる。その時に「彼女はストーカーに悩んでいた」と証言する。その証言

と、右京さんと冠城クンの推理捜査で、今度は中村が容疑者となって……

 

こんなところでしょうか。

 

なぜ雨宮はこんな行動をとったのでしょう。

 

謎解きの時点になって右京さんが雨宮に「事件の真相が分かりました。彼女は自殺で

す。中村は死体を運んだだけでした」と言います。雨宮は「警察はそんな言い訳を信

じるんですか!」と叫びます。

つまり雨宮は、中村に、自殺ほう助と死体遺棄の罪ではなく、殺人の罪を着せようと

したわけですよね。

 

更に終盤雨宮は「あんた達(右京さん)さえいなければ……妹はあいつのせいで死んだ

んだ。なのにあいつだけ何の罪にもならないなんておかしいだろう!」と言います。

ニュアンスが少し後退してますよね。中村に殺人の罪をかぶせたいけど、それが無理

ならせめて死体遺棄の罪にでも問わせたいというところでしょうか。

 

 

つまり雨宮が、携帯の遺書を書き換え、自ら事件の渦中に入ったのは、

中村への復讐。中村に殺人の罪(最低でも死体遺棄)を着せる為。

 

これがよく分からないんですよ。ボクの頭ではどうにもこうにも。

で、考えてみようとなったわけです。

 

 

さぁここからですよ。頭使うぞ。

 

 

まずびっくりした問題点。

謎解きの時間になって右京さんが雨宮に「あなたの妹さんも自殺なさっていたんです

ね」と言います。これアンフェアですよね。探偵役が謎解きの時点になって初めて出

た事実ですよね。それ以前に一度も出てませんよね。録画なので確認しました。便利

です。勿論あらゆる可能性を考えて推理するにしても、それじゃ冠城君の妹だって自

殺してるかもしれない。妹いるのか知らんけど。これダメですよね。せめて前半で別

荘に妹の写真があって「あちらは」「妹です。いい奴でした」「?」くらいあれば。

 

でもここは目をつむりましょう。アンフェアであっても意味は分かりますから。 

 

 

 

もっと大きな問題。

問題点その①

雨宮が携帯の指紋を拭いたことです。

この行為で彼の計画はパーになってしまいませんか?

 

指紋を拭くとどんな効果があるのか。

㈠ 出ては困る指紋が消える。

㈡ 付いてなければならない指紋も消える。

 

雨宮は遺書を書き換えるため携帯に指でじかに触りました。その指紋を消しました。

彼の指紋は消えるけど、元々ある筈の彼女の指紋も消えます。そこにある指紋はあと

から触った中村の指紋だけです。「死体のそばに落ちていたのを拾って持っていまし

た」と、右京さんに携帯を渡しています。

 

警察はバカではありません。

死んでいく彼女が指紋を拭きとる必要はありません。なのに彼女の指紋はない。でも

最後に触った中村の指紋はついている。つまり彼女と中村の間に、指紋を拭きとった

第3の人間がいる事実が分かってしまうのです。

 

もし拭き取ったのも中村だとしたら。本当は自分が殺していながら、さも勝手に自殺

したように見せるとしたら。その可能性を考えてみましょうぞ。

中村は、まず彼女を殺し、彼女の携帯に自分に都合のいい遺書を書き込み、指紋をす

べて消す。でも彼女の指紋がすべて消えていたら、消した人間の存在が出る訳ですか

ら、そうなると真っ先に疑われるのは中村です。自分に都合のいい遺書をねつ造した

だろうと。

雨宮はそれを狙った。でも現実にはそうはなっていません。というより、話では指紋

に関しては、何も言及されていません。でもま、それは置いといて……

中村だって雨宮と同じことを考えるはずです。ではそれを避けるにはどうすればいい

のか。簡単です。死んでいる彼女の指を携帯に押し当てていっぱい指紋をつけておけ

ばいいのです。つまり携帯からは彼女の普段の使用指紋と、その上を掴んだ中村の指

紋が出ればいい。

というより中村が遺書を打つ時、手袋してりゃええ話ですやん。誰でも思いつきます

よね。つまり、彼女の指紋はなく、普通につかんだ中村の指紋だけがある場合は、第

3者の介在を示す事になってしまうのです。つまり雨宮の中村容疑者作戦はハナから

成立していないのではないでしょうか。

 

続いて、中村が犯人で遺書ねつ造工作を行ったあと、雨宮がやってきて一連の行動を

とった。よって中村の指紋しかなかった場合。

これはありえません。1つには、では雨宮が来たとき、中村はどこにいたのかという

問題。2つには、もしそうなら、戻ってきた中村が携帯を見て、文章が変わっていた

ら、第3者の存在を知り、全く違う行動をとったはずです。 

 

いえ、1つ成立する可能性がありました。

中村がバカで手袋をせず遺書を打っちまって、しまったと気づいて指紋を消した。こ

れなら中村が犯人で、彼の掴んだ指紋だけが出たと説明できます。でもこの場合も、

しまったと気づいたのならその時点で彼女の指紋を付ければいいわけですし、彼女を

別荘に置いて戻ってから気づいたのなら、うっかりバケツの中に落としたので、一度

綺麗に拭きましたとでも言えば、警察は証明できないのですからどうにでもなるはず

ですよね。

 

それよりも中村が、第3者介在を臭わすためにワザとやったとしたらどうなるでしょ

うか。この可能性も考えてみましょう。

遺書を書き換え、指紋を消し、自分の指紋だけを改めてつけていたとしたら。何のた

めに。全ては第3の人間のやったことで、自分は全く関わりないとするため ─ その

の理由以外ありませんよね。でもそんなことをするくらいなら、彼女の指紋もつけ自

分の指紋もつけた方がはるかに安全です。やる意味が全くありません。更に殺人にす

るより自殺にした方がもしもの時完全に得なのですから、そんなことする意味があり

ませんよね。事実自殺ですし。事実死体を運んだことは認めていますし。

 

つまり、話に出てくるすべての事柄 (謎解き場面以前) で指紋問題を見た場合、雨宮

が遺書を書き換え指紋を拭き消した時点で、つまり、携帯の指紋を鑑識が調べた時点

で、中村以外の第3者の存在が誕生し、中村は安全圏になってしまうというロジック

が成立してしまうのです。

うーん、これは大変だ。雨宮が中村を罪に落とすためにやった指紋を消すという行為

で、逆に中村を安全にしていたとは。最初からこの話、破たんですやん。

 

さっきも書いた通り、今回話の中で指紋の件には全く言及していません。何でやろ。

 

 

 

問題点その②

雨宮は女の死体を発見した時点で、中村を殺人罪にまでは持って行こうとは思わず、

ただ死体遺棄の罪にのみにしてやろうとしていたとしたら。

 

この可能性は、彼の「犯人が分かったのですか」と「警察がそんな言い訳信じるんで

すか!」というセリフから、まずありえませんが、とりあえず考えてみます。

 

これが一番問題のような気がします。

そうかて、だったら遺書を書き換える必要が全くなくなるからです。

 

雨宮と中村と本当の恋人は全員面識はありません。本当の恋人と自分との名前を変え

ようが、別荘の場所を変えようが、中村が死体を運ぶか、運ばないで警察を呼ぶか、

それは中村の意志次第です。元々の遺書のままでも、中村はやるならやるはずです。

雨宮の別荘だろうが、本当の恋人の別荘だろうが、面識のない中村には同じ事です。

雨宮が自分の名を出し、危ない橋を渡る必要はどこにもありません。愉快犯ならとも

かく、容疑から常に離れていたいという犯人心理の鉄則を無視した行動になってしま

います。

では、彼女がおびえていたストーカーの情報は誰が警察に? 雨宮が匿名のタレこみを

すれば十分です。

 

 

 

ここまで考えて分かったことは、雨宮がとった行動、まず②の〈携帯の遺書の書き換

え〉は、やってもやらなくても、中村が死体を動かす行動によって生じる事態は同じ

で、全く意味をなさず、それどころか自ら事件の中心に飛び込む危険な行為であり、

①の〈携帯の指紋を拭く〉は、そのせいで中村を安全圏に置いてしまうというとんで

もない結果を生んでしまいます。

 

うーん。困ったぞ。ミステリのロジック的に考えていくと、雨宮の行動って一体?

これは深刻だぞ。

 

 

別の角度から考えてみるか。

この事件の根本の芯は何か。

中村は、雨宮の妹を自殺に導いても殺してはいない。今回の彼女も殺していない。で

も5年前自身の恋人が病気で死の苦しみを見て、彼はチューブを外し、死を選んだ。

善意であっても殺人です。これは伏線が張られてました。フェアプレーです。その時

彼は悟りました。人には死ぬより辛い生があると。だから私は楽になる手助けをする

のだと。

 

これが事件の全容です。

単純で美しい芯です。

 

でもそれにまつわる大きな大きな雨宮のドラマはロジックが成立していず、いつもの

右京さんなら「あなたは間違った方法をやってしまったんですよ」と、これらを看破

していくのに、今回は成立していないロジックに真正面から乗ってしまっている……

 

アンフェアとロジック破たん。

これって!

 

考えていくと、えらいとこへ行ってしもたぞ。

 

成程、せやから右京さんと雨宮の対決の場面、見てて何のことやらよく分からなかっ

たのか……

 

 

あ、いつものようにこれはあくまでもボクの個人的感想です。

間違ってたらごめんなさい。あやまります。

『相棒』大好きですから!

 

 

録画して見たら、あれ?っと思ったところを確認できるから、

こんなことを考えてしまいました。

秋の夜長のバカの戯言とお許しくださいまし。

 

 

 

ものすご頭使こたわ。

頭フラフラ。

ホンマに、頭の体操、いえ、頭の重労働でした。

 

それで間違てたら踏んだり蹴ったりやね。

その時は、ごめんなさい。

 

 

今月まだ1週間もたってないのに、もう3回目の更新。

テンポええがな。だから何。

 

 

 

 

 

 

NLT新人賞授章式 11月4日

ごあいさつ 池田政之の仕事

 

 

 

きのう3日は文化の日。

 

NLT本公演『旦那様は狩りにお出かけ』の稽古開始日でした。

 

顔寄せして、演出の大江クンの下、1回目の読み合わせ。

 

続いて、先日発表したNLTコメディ新人戯曲賞の授賞式を執り行いました。

 

池袋演劇祭授賞式の翌日がNLT新人賞授章式。授賞式ラッシュです。

 

 

 

 

 

 

花を飾りましたよ。

 

 

 

審査員、『旦那様……』組の大江クンや合田クン、永吉さんをはじめ

出演者、スタッフ、そして出席して下さった劇団員の前で、

粛々と、笑い満載の授章式でした。

 

 

 

 

 

 

右から佳作のふじもり夏香さん、同じく大塚祥平クン、

審査員特別賞の山崎哲史クン。

後列は右から審査員の渡辺力さん、加納健次さん、木村有里さん、

審査委員長の川端槇二さんです。

 

 

その後は、『旦那様……』の討ち入りと、

受賞記念と、

一昨日まで地方公演に行っていた『殺人同盟』組の出演者・スタッフが多かったので

その皆さんのお疲れさんと、3つまとめたかんぱ~い!

 

 

 

 

 

 

その中から1枚。有里さんと永吉さん。明るめに撮りましたよ。

 

 

とにかく盛り上がった一晩でした。

 

 

来年はどんな作品が来てくれるかな? 

 

 

 

 

池袋演劇祭受賞しました。 11月3日

ごあいさつ 池田政之の仕事

 

 

 

11月3日。文化の日。昔は明治節。もっと昔は天長節。

 

三島由紀夫の『鹿鳴館』はこの日1日の物語です。

 

現在では文化勲章の授章式ですね。

 

そしてこの日は必ず晴れるんだそうです。

 

今日も秋晴れ。清々しい日和です。

 

 

 

さて、今年のハマキヨ『オチの後で』は満15周年記念公演と共に、

池袋演劇祭参加公演でもありました。

 

昨夜、その発表と同時に授賞式がありました。

 

ハマキヨの二人がいってきました。

 

授賞式はこんな感じだったそうです。

 

 

 

 

 

ちっちゃくてすみません。

 

詳しくハマコクラブキヨコクラブのホームページで。

 

 

 

頂戴致しました。

 

池袋演劇祭部門賞「みらい館大明賞」(賞金5万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

ハマキヨ、おめでとう。

 

大賞は逃したけれど、小劇団とはタイプの違う我々が、

部門賞でももろたんや。良かったやないかい。

 

 

というより、これは作品賞なので、関係者皆の受賞です。

 

つまりボクも受賞です。

全員経歴に書きましょうね。飛田さんも。

 

 

審査員の皆様、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

さて今回、終演後、お馴染みのインチキ賞・池田賞を発表しなかったのは

これを待っていたからです。

 

こういうのを取らぬ狸の何とかというのですね(笑)。

 

取れてよかった。

 

あ、そうそう。今年ハマキヨから「ハマキヨ賞」を貰いました。

いつも出すばかりなので、たまにはと、ハマキヨがくれました。

「15年間毎年新作の提供と演出に対し感謝を込めて」だそうです。

 

 

 

 

 

 

つまり第1回目の戌井賞や、4回目の文化庁長官表彰のようになったという

訳でごんす。

この手があったか。

皆さん、毎年ボクに下さいね。そしたら池田賞やないやろ。

 

 

 

第44回池田賞

 

   池袋演劇祭賞  全員  オチの後で    賞金5万円

     その成果に対し

   ハマキヨ賞   池田政之  同           1万円

     15年間毎年新作の提供と演出に対し感謝を込めて

   特別大賞    藤川恵梨  同

   特別功労賞   目黒幸子さん

 

 

です。

 

特別大賞はいつもの賞なので、藤川にはいつものように

千穐楽の打ち上げであげておきました。

 

 

 

 

さて、今日は『旦那様は狩りにお出かけ』の顔合わせです。

 

そして、第1回NLTコメディ新人戯曲賞の表彰式です。

 

脚本家として、そして審査員として参加してきます。

 

 

それにしてもいい日和です。

 

 

ハマキヨ、来年は大賞めざそか。

 

 

 

 

第1回NLTコメディ新人戯曲賞決定 10月30日

ごあいさつ 池田政之の仕事

 

 

 

 

お待ちどう様でした。

 

第1回NLTコメディ新人戯曲賞が決定いたしました。

 

 

 

 

 

 

本日NLTのホームページにて掲載しましたが、

ボクのホームページにも載せておきますね。

ここで書く事は、審査員一同総意の意見と、僭越ながらボクの個人的考えも

合わせています。ですので気にしたくない方は気にしないでくださいまし。

ちなみにNLTのホームページにはこのトップページからも行けます。

 

 

 

まず7月末の締め切りに11本の応募がありました。

 

1回目でまだ膾炙してないし、1本もこなかったらどないしよという心配は

杞憂でした。

 

応募下さった皆様、ありがとうこざいます。

 

 

審査委員長はNLT代表の川端槇二さん、以下、制作代表の小川浩、

運営委員の加納健次さん、同じく渡辺力さん、小林史、竹内一貴、

企画委員の木村有里さん、そして同じく企画委員のボクの8人です。

 

 

まず、オリジナル性、アイデア、構成展開、文章セリフ、喜劇性、完成度、

そして推敲も加味した可能性の項目で得点をつけていきました。

 

あ、もう一つの重要な審査要素。

募集要項に「正賞作品は2016年に上演」とありましたよね。

つまり我々は上演をも視野に入れて審査をしました。

バーナード・ショウのように文学として読む戯曲ではなく、現実にNLTがコメディ

として板に乗せられるか? ということを視野に入れているわけです。

 

 

ここでひとつ。

規定枚数はA4で40×40で35枚以内です。なのに30枚以下が5作もありました。

勿論短くでも良い作品ならいいのですが、やはり書き込みが足りず、構成展開は

面白いのに中身が薄く、中にはコントの域を出ていないものもありました。

枚数をちゃんと使って書き込めば、ドンデン返しや終盤の展開ももっと盛り上がった

のにと残念です。

 

更には、CМやコントに元ネタを直ぐに見つけられるものは避けて下さいね。

設定があのCМと同じやん、あのコントと同じやん、と思った時点で、ほぼ

アウトです。勿論元ネタをはるかに凌駕する出来なら別ですが、周知のネタ

は既に我々にイメージが出来上がっているのですから、それは至難ですよ。

 

それともう1つ。以前このブログ7月28日『芥川賞とNLT新人賞』でも書き

ましたが、新人のデビュー作って何ともいえない雰囲気があるんですよ。

後で読み返すと、そりゃ赤面するくらい稚拙でも、グイグイくる迫力とか、

怪しげな雰囲気とか、こだわりの文章表現とか………何としてもこの機会を

ものにするぞという気迫でしょうか。『幻神伝』で光文社kappa-one登竜門

受賞デビューした浅田靖丸クンと呑んだ時に、2人して「そうそうそう」と

頷きあいました。又吉クンの『火花』にも感じました。穏やかな大家でも、

デビュー作には決まって感じます。

 

今回、それをボク自身が感じられたのが、1作だけでした。

皆さん器用なんですね。ストーリー展開が普通にうまい。(勿論そのストーリー展開

が面白いか面白くないかは別にして・そのストーリー展開が作劇的に正しいか正しく

ないかは別にして)。

もっとはじけてください。新人らしく「俺が審査会を支配してやる」くらいの気迫を

出してください。

恐らく皆さん今回の応募作が生まれて初めて書いた訳ではないのでしょうね。

5作目10作目だったりするのでしょうね。

慣れてきちゃってるんですよ。その小器用な慣れはいらないのでは、と感じて

しまいました。

生意気言ってすみません。実はボク自身も、29年前2作目の『鷹の玉座』を

読んだ亡き賀原夏子先生に同じことを言われました。今日までの戒めです。

具体的に分からないという方は、直木賞作家・山本一力先生の初めての新人賞

受賞作(オール読物新人賞)短編小説『蒼龍』(文春文庫・表題作)を是非読んでみて

下さい。いろんな意味で具体的ですよ。

 

 

閑話休題。

 

 

点数をつけていくと上位6作と下位5作に、開きが出来ました。

 

 

上位6作で、まず問題となったのは『ダジャレ強盗』でした。

この作品が上位6作に入ったのは、アイデアの点数が一番高かったからで、

しかし、物語の大半を占めるダジャレ連発シーンは、文字で読んでいるか

らダジャレの意味も分かるのですが、セリフで言って耳で聞くと(やってみ

ましたよ)分からないものが多く、現実に上演は難しいとなりました。

潤滑油的にお使いになられるのなら楽しいですが、メインとなると難しい

ですね。残念ながら一次通過にはなりませんでした。

でも、こんなアイデアを思いつかれる方です。力作の応募をお待ちしています。

 

 

よって第一次通過は『あなたの足元お借りします』『アパイピシピテペルプ』

『お皿の前で、ごゆるりと』『スパイミークレイジー』『ダンロッピ!』の

5作となり、改めての審査となりました。

 

 

第2回目の審査です。

 

 

最高点は『あなたの足元お借りします』でした。でもこれは作者が山崎哲史です。

昨年7月NLT新人作家育成プロジェクトvol,1『人質に乾杯』でデビューし、現在

NLTの文芸演出部です。確かにまだ新人ですが、身内から出すのは如何なものか

となり、受賞対象外、つまりは失格となりました。ああ無情。

ですが出来を鑑み、昨年とも併せ、今回のみ第1回目のご祝儀的特例として

審査員特別賞にすることになりました。賞金はナシです。残念。山崎、次からは

余所へ出してな(笑)。

これは劇団でストックしておきます。日の目を見る日は近いと思うよ。でも次か

らは余所へ出してな。しつこいか。

 

この時点で受賞作となる作品はなく、佳作を出すかどうかの検討になりました。

 

次に得点が高かったのが『アパイピシピテペルプ』と

同点で『お皿の前で、ごゆるりと』でした。

 

前者は、丁寧に書かれた家族の風景、落ち着いた筆致、実は、日常のお芝居だと思っ

ていたら、とんでもないところへ持って行かれるのだけれど、それすらサラリとやっ

てのけられました。ただ喜劇性が薄いのでは?との意見もあり、片や、それを補って

余りある世界観があるとの意見もありました。

 

後者は喜劇性のあるよくできた小品です。人物の出し入れもうまいし、小ネタの

ドタバタも楽しい。つまり大ネタの邪魔をしていません。ただもうちょっと書き込ん

でくれていれば。あと5枚余っています。なぜこの事件が起こるのか? 登場人物の

背景を、最初に丁寧に描いてくれていれば、更によくなったはずです。

 

その次が『スパイミークレイジー』でした。これは痛快です。まぁ速い展開。

一体いくつドンデンを出すねん。応募作中もっとも喜劇してましたね。偉い。

ただもっと書き込んでくださいよ。まだ6枚も余ってますよ。

さすがにコントにはならず、演劇の枠内にとどまっていましたからいいものの、

完成度は低くなってしまいます。つまり推敲すれば、楽しい喜劇になる作品でした。

 

最後は『ダンロッピ!』です。不思議な作品でした。

不条理劇、オカルトファンタジーのような導入が、ロベール・トマのように終わる、

中々の構成です。ですが喜劇と呼べるのかどうか。ボクが作家だからかもしれませ

んが、ボクならこうして喜劇にするな、と考えてしまいました。審査員の皆さんも

同意見でしたよ。 

 

 

さて、数時間に及ぶ議論の末、結論が出ました。

 

 

大きくいうと2つです。

 

1つは佳作を出すことになりました。

『アパイピシピテペルプ』と『お皿の前で、ごゆるりと』です。

『アパイ…』のみ、『お皿の…』のみ、2作ともОK、2作ともダメの4択で決を

採り、満場一致で2作とも佳作に決まりました。

おめでとうございます。

 

来年上演する予定です。 

皆様には、詳しいことは後日ホームページでお知らせします。

 

 

さてもう1つは、今回我々は<再応募枠>を作ったことです。

 

文学の新人賞には2種類あります。

既に発表・出版されたものつまりプロ(でもまだ新人の域)の作品からその年のベスト

を選ぶもの(言ってみれば直木賞や芥川賞もそうですね。戯曲なら岸田賞か?)と、

素人さんも含め一般から生原稿を募集しそこから選ぶもの、の2種類です。 

我々や、劇作家協会やテアトロさんの新人賞、テアトルエコーさんの創作戯曲募集

は、みんな後者に当たります。

 

これらは応募された作品を完成本とみなして審査します。

なので審査で「おしいなぁ。ここさえ直せば受賞なのに!」となっても、

それは落選です。

ダントツで面白い作品でも、「ここ一ヶ所間違ってるで」となれば、ボツです。

後はそんな作品なかったことに……

 

でも……

 

おしいなぁ。実に惜しい。

ものすごいダイヤの原石だってあるんですよ。

そんなお宝をみすみすドブに捨てるなんて。

 

それが一般応募型新人賞の宿命です。

 

でも、いい戯曲をさがしてるんでしょ。いい作家を発掘したいんでしょ。

ま、劇作家協会さんは、別にさがしてるわけやないかもしれませんけど。

 

勿論、賞は応募作で決めます。でも「直せばお宝」を捨てるには忍びなく、

そこで我々は<再応募枠>を作りました。つまり、直して、推敲して、

来年、同じ作品でもう一度応募しても構いません─という枠です。

 

以前にもこのブログで書きました。3月16日「横溝正史賞二題」です。

ミステリーの世界では時々起る変な現象。受賞作よりも、後で出版された

落選作の方が名作になる事があると。つまりミステリーの世界では、お宝

の原石を捨て去るなんてことはしないのです。 

村﨑友氏の『夕暮れ密室』が出版された時、その帯に「横溝正史賞落選作」と

堂々と銘打たれていました。ミステリファンは「お、落選作なら読んでみようか」

となるわけです。(冷静に考えたら「そんなバカな」ですけどね)

なれぱ我々だって、我々が原石を持ち磨く行為は、演劇の為でもあるはずです。

 

勿論、推敲した再応募作品と、初応募作品を同列に扱えるのか? という疑問は当然あ

ります。恐らく部門賞を新設すると思いますよ。

 

『スパイミークレイジー』さんと『ダンロッピ!』さん。

今回は落選やけど、よかったら直して来年もう一度応募して下さい。

 

『スパイミークレイジー』さん。事件とストーリー展開とドンデンは十分ですから、

余っている6枚分で、それぞれの人物と、あの部屋のリアル感をもっともっと

書き込んでください。つまり、まず日常感、そして緊張感、さらにだらけ感も、

恋愛感情も、全てです。

 

『ダンロッピ!』さん。余っている5枚分で、主人公の背景(他の登場人物も同様)を

もっと書き込んでください。事件の全容も。それと狂言回しに当たる方(改めて貴方が

こいつと思われる人物でも、更には新しい登場人物でもかまいません)のセリフを

もっとはずませて下さい。喜劇と悲劇が同居する、つまり狂言回しの方の性格や言動

をもっと明るく、お気楽で、ポジティブに。実はダマシでいいのですから。それだけ

でも喜劇度は増すはずです。それだけで結末はもっと驚きをもって迎えることができ

るはずです。

ロベール・トマのように終わると書きましたが、あなたとトマの違いは……

トマはとにかく話が転がります。『シャンブルマンダリン(ホテルZОО)』のような

オムニバスは短いので1ネタで行きますが、中・長編はどんどん話が転がるのです。

一方あなたのはあまり転がりません。それはかまいません。でもその分今のままでは

喜劇性が低いのです。それを解消するのは、人物のキャラ作りしかありません。

狂言回しの人のセリフをはずませれば、というのはそういう意味です。

狂言回しだと思っていた人が実は………ダマシでいいのですから。

 

あ、そうそう。来年から規定枚数がA4で35枚から40枚に増えます。

かなり書き込めますね。

だからといってサイドストーリーなんていりませんからね。アンサンブルコメディ

なら別ですが。

 

お二方とも、もし来年再応募されたら、我々はキチンと読ませて頂きます。

それでも落ちたらごめんやけど。

 

ただ、推敲した作品と初応募作を同列に審査していいのか?という疑問も

当然出てきます。さっき書いたな。もう一度言います。まだ未定ですが恐らく

再応募作品には、それにあう部門賞を新設すると思いますよ。 

 

それ以外の方は同じ作品での再応募はご遠慮くださいまし。

 

 

さて、ここで、劇作のアドバイスを1つ。

ボクでも、年に1度くらいは講演に呼ばれます。持ち時間だいたい1時間半です。

約1時間をテーマに合わせ喋り、残りの30分を質問コーナーにします。皆さん恥

ずかしがって誰も手を挙げません。そこで主催者側に頼んで1人だけサクラを仕

込み、手を挙げて質問をしてもらいます。すると安心なさるのかそこから堰を切

ったように手が上がります。30分はあっという間に終わってしまいます。

その中に決まってある質問。「私も脚本を書いているのですが、どうすればうま

く書けますか」「私も書いてみたいのですがどうすればいいですか」

ボクは隠し事なく、ボク自身が信じているいくつかのコツを正直に話します。

僭越ながら今日はその中から1つだけお話ししますね。残りのコツは又いずれ。

 

皆さんはまだ素人さんです。中にはセミプロの様な方もいらっしゃるかもしれませ

んが、何よりもまずはデビューできなければ始まりません。更に無事デビューして

もプロとして何年何十年と食べていくのはより大変です。実力、努力、感性、性格、

勿論運もあります。

 

あ、そうそう。自分たちで小劇団を作りデビューしてる方もいらっしゃるでしょう。

でも、まだまだ新人さんですよね。

 

そこで先述の新人のデビュー作って、の話ですが……

つまりは応募作に必要なもの、少々破たんしてもいい。何としてもものにするぞ!

という気迫です。その気迫と想いが、作品を〈無難〉より〈大胆〉にさせるので

しょう。

デビュー前(新人)の慣れほど怖いものはありません。それはプロの熟練とは違う

からです。職人技でもないからです。それは現実のキャリアに裏打ちされていな

いからです。

 

デビューできた作品がデビュー作なんです。5作目だろうと10作目だろうと。

自分たちでデビューしても、評価を得なかったら、同じです。

 

初々しさを忘れないでください。熱い思いを、書かずにはいられない衝動を忘れない

でください。それにはどうすればいいのか。

 

〈思い切り〉です。

 

自分が書き上げたものが小さくまとまっていないか。思い切った構成。思い切った

キャラ。思い切った直しに思い切ったカット。書きたいと思ったものを正直に思い

っ切りキーボードにぶつけたか。プロで生き残っていく人は、幾つになって思い切

れる人。ボクはそう信じています。

荒削りでもいいんです。隅々への配慮や、破たん無い展開なんてのは、本数を重ね

れば自然と身に付きます。今は、思い切ったコメディを書いて下さい。

 

だって、〈再応募枠〉が出来たんですから!!!!!!

 

あ、だからと言って思い切った下ネタは止めてくださいね。上演できませんから。

 

それと、あくまでも戯曲という常識的概念の枠内に、そしてストレートのコメディの

枠内に留めて下さいね(笑)。織田信長と坂本竜馬とジョー・ペシとステゴザウルスが

ビキニ姿で火星でゴルフをするなんてのはダメですよ。訳が分かりませんから。スト

レートのコメディというのは、読み手(観客)にキチンと話の意味が分かり、筋が通っ

ている話だという事です。書き手だけが納得できるものはダメです。何なら応募前に

お友達に読んでもらって下さい。意味が分かるかどうか。

あ、ということは、信長と竜馬とジョー・ペシとステゴザウルスが、ビキニで火星で

ゴルフをしても、そうせざるをえない理由がキチンとあって、話が分かればいい訳や

な。思い切ったなぁ。その前に何でジョー・ペシやねん。ビル・マーレーではあかん

のか。そこやね。そこに必然性を持たさんとね。というよりまずつっこむべきはステ

ゴザウルスやろ。

 

 

閑話休題part2。 

 

 

というわけで、結果はこうなりました。

 

 

第1回NLTコメディ新人戯曲賞

   受賞作                なし

   佳作(賞金5万円)               ふじもり夏香さん『アパイピシピテペルプ』

                              大塚祥平さん『お皿の前で、ごゆるりと』

   審査員特別賞(賞金ナシ)       山崎哲史クン『あなたの足元お借りします』

       ※佳作2本は来年NLTで上演します。詳細は後日ホームページに。

 

                  ●

       ※<再応募枠>該当作品     『スパイミークレージー』

                              『ダンロッピ!』

 

 

 

応募された皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。

来年も第2回をやります。才気あふれるコメディ台本を待っています。

 

 

 

 

 

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